抗リン脂質抗体症候群(APS)は血栓症と習慣流産を来す自己免疫疾患だが、その発症機序に補体系の異常活性化が関与すると考えられている。本研究では、APSにおける補体活性化の起点について検討し、①補体第1成分(C1q)に対する自己抗体がAPS患者で高率に認められ難治性病態において高力価である②抗C1q抗体の存在は補体前期蛋白の異常活性化と相関する③モノクローナル抗C1q抗体はin vitroで単球細胞や血管内皮細胞を活性化し、凝固蛋白の産生亢進を促すことを解明した。抗C1q抗体の産生は免疫抑制療法で抑制されるため、APSのうちとりわけ難治例に免疫抑制療法が効果的な一群が存在する可能性が高い
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