研究概要 |
ステロイド性骨粗鬆症の臨床研究について後ろ向き解析を行なった。まず神戸大学附属病院膠原病リウマチ内科において1988年4月から2012年3月の間にPSL>0.8mg/kg以上で加療を行われた患者の後ろ向き解析をおこなった。ステロイド開始時の骨折リスクは診療録よりFRAXを算出した。特にBis内服していても5年以内に骨折を来した患者と、BisやVitD製剤の有無にかかわらず骨折をおこさなかった患者の比較に注目して解析を行った。 解析にの結果、229人の患者(SLE 76, 血管炎 58, 筋炎 51, スティル病 12, MCTD 7, 他25)が対象となり、平均観察期間は1819 日であった. 57 人 (52 臨床的椎体骨折, 3 大腿骨頚部骨折, 1 上腕骨骨折, 1 橈骨遠位端骨折) が脆弱性骨折を起こした。28人がBis内服にもかかわらず5年以内に脆弱性骨折を起こし、94 人はBisやVitD内服にかかわらず5年以上骨折がなかった。Bis内服で5年以内の骨折を予防できなかった患者のFRAX主要骨折確率は平均15.5%で5年以上骨折を来さなかった患者は平均1.1%であった。ROC解析によるBisで骨折予防ができない患者の至適カットオフ値はFRAX主要骨折確率5.8%であった(感度 89.3%, 特異度 74.5%, AUC 0.885). 生存時間解析ではFRAXが5.8以上の時に骨折のリスクは有意に上昇し、Bis内服によっても骨折の発生率は低下しなかった。以上の研究成果は2014年6月にパリで行われるヨーロッパリウマチ学会議で採択され、発表予定である。 基礎的研究については単球からRANKL、GM-CSFを投与し破骨細胞を作成。In vitroで作成した破骨細胞にデキサメサゾンを投与。その両者の代謝産物の網羅的解析を行っている
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