研究実績の概要 |
HTLV-I感染とシェーグレン症候群(SS)との関連は疫学的には関連が示唆されるが、そのメカニズムは不明であった。培養唾液腺上皮細胞にHTLV-Iが感染しうるかについて、HTLV-I感染細胞株HCT-5を用いて、感染実験を行った。この結果in situ PCRでは48時間以降、蛋白レベルでは72時間以降に感染が確認された。また培養上清では継時的に炎症性サイトカインやケモカイン(RANTES, IL-10, ICAM-1)などの発現が上昇し、感染上皮細胞自体にも発現がみられた。ELISA法での定量でもこれらの発現が確認できた。また、アポトーシス関連分子であるFas, Cytochrome C, Bcl-2, HO-2, HSP-27についても共培養後の発現亢進がみられたが、TUNEL法でのアポトーシス自体は観察されなかった。今後は、HTLV-I感染による自己抗体産生抑制機序やin vivoでどのような細胞にHTLV-I発現がみられるか観察を行う。
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