研究課題/領域番号 |
25461480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
川人 豊 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50336731)
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研究分担者 |
河野 正孝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60405256)
山本 相浩 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60589878)
芦原 英司 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70275197)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | MDSCs / 関節リウマチ / コラーゲン誘導関節炎 |
研究概要 |
研究の目的 MDSCs(Myeloid-derived suppressor cells)は、強力なT細胞機能障害誘導活性を持つ未成熟な骨髄性細胞の不均一な細胞集団で、悪性腫瘍や自己免疫疾患など種々の病的状態において増加しているが、その意義については明らかでない点が多い。本研究では、関節リウマチをはじめとした自己免疫性疾患でMDSCsがどのような役割を果たしているかを検討し、病因的意義を解明し、新たな治療法を開発することにある。 本年度の結果 前年度の研究で、コラーゲン誘発関節炎(Collagen-induced arthritis :CIA)モデルマウスにおいて、脾臓中のMDSCsが関節炎の発症とともに増加することを示した。さらに、MDSCsの機能解析として、正常マウス脾臓細胞から分離し抗CD3と抗CD28モノクローナル抗体により刺激したCD4+ T 細胞と共培養することで、MDSCsがT細胞の抗原非特異的な免疫反応を抑制することを明らかになった。MDSCsをCIAを誘導したマウスに経静脈投与し、関節炎の抑制効果があることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コラーゲン誘発関節炎の脾臓細胞でのMDSCsの発現とCD4+ T 細胞へ抗原非特異的免疫抑制作用や、MDSCsの経静脈投与し、関節炎の抑制効果のある事をすでに明らかにすることができている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究結果で、MDSCsの存在、CD4T細胞への抗原非特定的な免疫抑制能と関節炎抑制作用を大まかに示したが、MDSCsの作用機序の詳細なメカニズムは明らかにされていない。また、MDSCsには、単球系と顆粒球系の2種に分けられるが、各々関節炎モデルでの病態における役割や機能は明らかにされておらず、今年度はさらにMDSCsの機能解析を進めていく。また、MDSCsの他の自己免疫疾患への応用として、マウスモデルを用いて病因に関わる機能解析や治療としての応用可能性についても検討する。
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