研究課題/領域番号 |
25461481
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
村上 美帆 東京医科大学, 医学部, 助教(特任) (30595591)
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研究分担者 |
松谷 隆治 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70372290) [辞退]
西本 憲弘 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (80273663)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / Interleukin-6 / トシリズマブ / T細胞 / サイトカイン / アバタセプト / CD4 / CD25 |
研究実績の概要 |
同意が得られた登録患者からトシリズマブ(TCZ)治療前、治療開始より24週後および48週後に各20 mLの末梢血を採取し、リンパ球と血漿を分離しリンパ球サブセットとサイトカインの解析が実施されている。 当初予定していた近畿地区の関節リウマチ(RA)診療ネットワーク(KIZUNA GROUP)で実施する他施設共同研究であるTCZの研究(TEAM STUDY)が中止となったため、患者リクルートは大阪リウマチ・膠原病クリニックのみで実施している。そのため、検体の収集が当初の予定よりは遅れており、患者のn数は現在16名である。 生物学的製剤未使用RA患者に対するアバタセプト(ABA)の有効性と安全性の検討試験(ABROAD試験)に登録した30例のRA患者(抗シトルリン化ペプチド抗体[ACPA]陽性25例、陰性5例)からのリンパ球サブセットの結果との比較をするため、ABA治療で変化が得られたマーカーから解析をしている。ABROAD試験では、ACPA陽性群のCD4+T細胞におけるCD25+活性化T細胞の割合はACPA陰性群に比べ有意に高く(13.6±5.4 % vs. 6.7±2.9 %)、ACPA陽性群では、DAS28-CRP、SDAIは治療により有意に低下するとともにCD25 +活性化T 細胞の割合も治療により有意に低下していた(治療前13.9±5.4%、24週6.6±5.8%, p<0.0001、48週6.1±3.1%, p<0.0001)。現在、TCZ治療を48週まで終了した患者は16名中5名(5名ともACPA陽性)であり、それらの患者のCD4+ T細胞におけるCD25+活性化T細胞の割合は、有意差はないが治療とともに上昇傾向にあった(治療前3.9±1.3%、24週8.0±4.5%, p=0.14、48週7.2±2.6%, p=0.06)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた近畿地区のRA診療ネットワーク(KIZUNA GROUP)で実施する他施設共同研究であるTCZの研究(TEAM STUDY)が中止となったため、患者リクルートは大阪リウマチ・膠原病クリニックのみで実施している。そのため検体の収集が当初の予定より遅れている。また、実臨床の中での検体採集のなので、遠方に引っ越したりなどの理由で通院しなくなる患者もおり、なかなか1つのクリニックレベルの施設で1年を通した検体数を増やすのは難しいが、バイオロジクスナイーブでないRA患者でも半年以上のウォッシュ期間を設けた患者の検体も収集しているので、患者のn数は16名(うち48週まで終了した患者は5名)となっている。引き続き、患者のリクルートに努める。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Flow cytometoryを行った患者の表面マーカーを中心に解析をしており、アバタセプト治療との比較をするため、アバタセプト治療で変化が得られたマーカーから解析しているが、TCZが阻害するIL-6はB細胞の分化にも関与していることから、今後、収集されているデータより、B細胞表面マーカー(CD19, CD20, CD80, sIgD)や、さらにB細胞の生存・分化・抗体産生に重要な役割を果たすBAFFの受容体であるBAFF-R、BCMA、TACI、形質細胞のマーカーであるCD138の発現の解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
キャンペーン中につき、実験に必要な試薬類が予定していた価格よりも安く購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
必要試薬の購入に充てることにする。
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