研究実績の概要 |
Glycosylation Inhibiting Factor (GIF)は主にCD4T細胞から分泌されるサイトカインであり、CD4T細胞がインターロイキン4を分泌するTh2型ヘルパーT細胞に分化するのを阻止し、B細胞のT細胞依存型Immunoglobulin G(IgG),Immunoglobulin E(IgE)抗体産生を阻止する機構に関与することを我々は明らかにしてきた。リンパ節の濾胞にある杯中心(Germinal center:GC)では1. 抗体のclass switch 2.抗体のmaturation 3.抗体産生が行われるが濾胞内のFollicular Helper T cell(TFH)が抗体産生に関与していることが知られている。我々はTFHから分泌されるGIFがGerminal Centerでの抗体産生に関与し、IL-4の分泌を統御、アレルギーの発症に重要な役割を持つ事を検討した。1) 野生型マウス、GIFノックアウトマウスに免疫し脾臓を摘出、免疫染色したGCは野生型マウスでは濾胞内に位置しているが、GIFノックアウトマウスでは野生型と異なったところに位置していた。2) 免疫を行った野生型マウス、GIFノックアウトマウスからsortingによって分離したGCB細胞とTFHから抽出したcDNAによるマイクロアレイによる発現分子の違いからGCB細胞、TFHの分化に必要な新規遺伝子を現在検索し、数個の候補遺伝子を特定した。3)GIFを添加した不活性、あるいは活性化B細胞とT細胞のcDNAライブラリーからGIF特異的モノクローナル抗体と結合する細胞をsortingし、sequenceによってGIFレセプター候補遺伝子を同定した。現在同定した候補遺伝子をsiRNAの手法によってGIFのレセプターであることを検討している。レセプターが同定されれば、GIFに対するagonisticな抗体を精製し、IL-4産生とIgEの産生の阻止によってアレルギーの発症を阻止する創薬に発展させる。
|