• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

生物毒や毒性物質に対するマスト細胞による生体防御調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25461498
研究機関九州大学

研究代表者

赤星 光輝  九州大学, 大学病院, 助教 (40391841)

研究分担者 有信 洋二郎  九州大学, 大学病院, 助教 (90467928)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードマスト細胞 / 強皮症 / 生理活性物質
研究実績の概要

「マスト細胞の生物毒に対する生体防御機構の役割」についての解析の結果、①クモ毒の一部に対してはマスト細胞の生体防御の働きは示されず、また、②Kit遺伝子変異マウスは、マスト細胞非依存的にフグ毒に対する抵抗性・防御反応が低下している可能性が示唆された。次に、動物由来トキシンと相同性が高くこれまでマスト細胞による分解調節作用が明らかとなっている内因性生理活性物質であるエンドセリン-1(ET-1)やアンギオテンシン II(AT II)に着目し、これらが病態形成において重要とされる疾患である全身性強皮症を解析対象とした。
「強皮症病態形成におけるマスト細胞および生理活性物質の役割」を検討するため、当施設(九州大学病院)でフォロー中の全身性強皮症および膠原病患者の血液サンプルを用いてET-1、AT II、またマスト細胞の活性化マーカーであるヒスタミンの血中濃度測定をELISA法で行ったところ、いずれも強皮症患者において健常者や他の膠原病患者より高い傾向が認められた。血清ヒスタミン値については強皮症患者、とくに間質性肺炎合併例で高い傾向がみられ、血中ヒスタミン値と肺機能・間質性肺炎マーカーとの相関が認められた。また強皮症診断のため施行した皮膚生検サンプルを用いて、生検組織におけるマスト細胞の質的量的評価を行ったところ、強皮症皮膚組織でのマスト細胞の発現亢進・活性化が認められた。
さらに代表的な強皮症モデルであるブレオマイシン誘導強皮症モデルを用いて、野生型とマスト細胞欠損マウスとの比較を行ったところマスト細胞欠損マウスで強皮症病態がより軽微であった。以上より強皮症病態形成における種々の生理活性物質の調節を介したマスト細胞の関与が示唆された。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi