自己免疫疾患において、抗原特異的に免疫を制御する治療法の開発が強く求められている。今回、我々はマウスの自己免疫疾患モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)において、ミエリン抗原のMOGとTRAILを高発現するES細胞由来の樹状細胞(ES-DC-TRAIL/MOG)により、異なるミエリン抗原のMBPで誘導したEAEの発症を抑制することを観察した。また、この免疫抑制には制御性T(Treg)細胞が関与していることが示唆された。以上より、TRAILと組織抗原を高発現するES-DCによりTreg細胞を介して病因抗原が未知の自己免疫疾患においても組織抗原特異的な免疫抑制療法を出来る可能性が示された。
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