研究概要 |
アメリカの新生児ヘルペス患者から分離されたHSVの各クローンにおけるリン酸化酵素をコードする遺伝子の塩基配列を解析した。患者数26名から分離されたHSVの各クローンで、HSV-2のプライマーでPCRによって増幅が見られた17株中3株のクローンにアミノ酸変異を伴うvariation が見られた。 患者番号5番クローン1,2,4,6,7、患者番号10番クローン4、患者番号11番クローン3,7 クローン4,5,6。 次に、HSV-2の変異株と非変異株で、HepG-2細胞における蛋白質発現に有意差のみられた遺伝子について、温度、ウイルスの感染、細胞種によるmRNAの発現量を比較した。今回、Vero細胞とHepG-2細胞に感染したウイルスはHSV-2 1718 -17株、21株、82株、103株の4種である。 本実験の結果、非感染細胞よりHSV感染で発現量に低下の傾向がみられたのはshut-offによるものかもしれない。温度による比較では、mitochondrial ribosomal protein L17 とTropomyosinの発現量が40℃の方で若干低下していた。一方、HepG-2細胞におけるmRNAの発現量を比較した。Vero細胞での結果と同様に、概ね非感染よりHSV感染で発現量に低下がみられた(shut-off )。 82株感染18hは全ての遺伝子の発現量が低く、異常値の可能性が考えられる。tubulin-folding cofactor B(TBCB)はほぼ横ばいで発現量が増減しないことが確認できた。mitochondrial ribosomal protein L17も変動が少なかった。しかしながら、laminin Receptorのみ非感染より17株、21株の感染において発現量の増大傾向がみられたが、一方で82株、103株は発現量が逆に低下していた。
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