病原体プリオンはウイルスなどとは異なり、病原特異的な核酸を持たず、おそらくは単一の異常型プリオンタンパク(PrPSc)のみから構成されていると推測されている。しかしながら、ウイルス感染時の特徴的な干渉現象や自然免疫機構の活動がプリオン感染時においても見られ、ウイルス由来の核酸などPrPSc以外の因子がプリオン感染病態に関与することが示唆される。本研究により我々は、プリオン感染病態にPrPSc以外の修飾・補助因子として二本鎖RNAもしくは二本鎖RNA様因子と、その宿主側シグナル分子群である自然免疫関連因子が関与していることを見出した。
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