研究課題
1.肺炎球菌とIL-13の敗血症モデル静脈感染後にIL-13-/-マウスでは野生型に比べ、平均生存期間の短縮が認められた(3回確認)。静脈感染後2.5時間から48時間まで3点で、末梢血白血球、肝臓(臓器懸濁液及び比重遠心後の細胞)、脾臓など各臓器で重要なバイオマーカーを測定した。TNFαの伝令(m)RNAと蛋白は野生型の肝臓で高値であり、それ以外のHMGB-1、CRP、IL-6、CGRPαなどは群間で差を認めなかった。末梢血白血球由来のCXCL2とCD14のmRNAは感染後に高く上昇したが、群間の差を認めなかった。脾臓細胞でblimp-1が2.5時間で上昇し、野生型でIL-13-/-マウスより早期に上昇する結果を観察しているが、再現性と統計学的な検証が必要である。過去に観察した、感染後リンパ節集積細胞からのIL-13(蛋白をELISAで測定)の分泌、Natural helper様細胞の感染後リンパ節への集積、インフラマソームの過剰な活性化と予後への寄与などを検証した後の論文化を予定している。2.C. albicans静脈感染へのIL-13の寄与高濃度の菌量で静脈感染を行った場合、IL-13欠損動物は野生型に比べて腎臓内の生菌数が有意差を持って減少し、感染後7日以内での平均生存期間も、IL-13-/-マウスが野生型に比べ長期であった。感染後3時間で、腎臓で産生されたTNF-α、ケモカイン(CXCL 2)、インターフェロン(IFN)-α、IFN-γ、IL-1βなどの炎症性サイトカインのmRNAが、IL-13欠損動物で高値であった。抗炎症作用を有する分子であるトランスフォーミング増殖因子(TGF)-βは野生型動物由来の腎臓で高値であった。Chitin-oligomerの投与によるIL-13の作用の修飾で、C. albicans感染初期の自然炎症機構、M1ないしはM2マクロファージへの制御機構などが変化し、真菌の生体からの排除が改善すると仮説を立てている。この一連の結果の一部を論文化しており近日投稿予定である。
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