研究実績の概要 |
A群溶連菌の各種発赤毒素をコードするspeA, speB, speC, speF, speG, speH, speJ遺伝子、細胞分裂促進毒素をコードするsmeZ遺伝子、その他、スーパー抗原をコードするssa遺伝子やsagA遺伝子等をそれぞれ個々に持ち、全ての遺伝子を含むように6菌株を選び、毒素の産生が可能なNCTC135 mediumを使用し培養した。培養上清をUltrafiltration法にて50 kDa以上、30から50kDa、10から30kDa、10kDa以下の蛋白に分けた。そしてマウス骨髄から採取したBM-cellをG-CSFを添加し、分化させた後、培養プレートのウエルに先の粗分画蛋白を100ng添加し培養した。その培養上清50μl中のNOをグリース法、TNF-αをELISA法で定量した。その他のIL-1β, IL-6, IL-1β, IL-17α, IFN-α, CD14, iNOS, SNAP3, TGFβ, actinβについてはqRT-PCR法で細胞のRNA解析を行った。その結果、一部の菌株では50kDa以上の粗分画については幾つかのサイトカインの上昇が認められた。詳細については現在解析中であり、後日、国内外の論文、学会にて発表する予定である。 その他、菌株収集の過程でErythmycinによる誘導型Telithromycin耐性株を見出し、その評価基準を明確にするためチェッカーボード法を行い、効率よく検出できることを発表した。(第88回日本感染症学会学術講演会・第62回日本化学療法学会総会,2014.6.18-20, 福岡市) 国内との共同研究では東北大学で健康成人から分離されたムコイド型A群溶血性連鎖球菌の解析を行い学術雑誌に発表した。(Risako Kakuta et al,Tohoku J.Exp.Med.,232, 301-304, 2014)
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