研究課題
本研究は、慢性難治性呼吸器感染症である肺Mycobacterium avium complex(MAC)症に関連するmicro RNA(miRNA)を探索し、肺MAC症の疾患活動性の指標となるバイオマーカーとしての有用性を評価するとともに、病態解明および新規治療標的の可能性について検討することを目的として実施された。平成25年度、平成26年度に行なった2回の網羅的miRNA解析で、健常者群に比べて患者群で統計学的に有意(p<0.05)に増加しているmiRNAを5種類抽出した。さらに抽出した5種類のmiRNAについて、リアルタイムPCR法による定量測定を行った。その結果、5種類のmiRNAのうちhsa-miR-346が健常者群に比べて患者群で統計学的に有意(p<0.05)に増加しており、肺MAC症関連miRNAと判断した。先行研究等からhsa-miR-346は、MAC菌の感染、免疫担当細胞や気道上皮細胞を介した肺MAC症の病態に関与している可能性が推測された。血清中「肺MAC症関連miRNA」測定は採血だけで済むため、侵襲性が少なく、かつ喀痰検査よりも確実な方法と言える。miRNAは抗体等のタンパク質よりも迅速な発現変動をすることから、本研究で得られたhsa-miR-346は、病状悪化の予測が困難な肺MAC症の鋭敏な疾患活動性の指標になる可能性として期待される。今後、hsa-miR-346と疾患活動性との関連をさらに明確にし、同時に生物学的機能も解析していく。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (28件) 図書 (3件) 産業財産権 (1件)
Medicine
巻: 95(11) ページ: 3131
10.1097/MD.0000000000003131
J Infect Dis
巻: 213(6) ページ: 1018-1030
10.1093/infdis/jiv527
Am J Respir Crit Care Med
巻: 193(3) ページ: 5-6
10.1164/rccm.201508-1527IM
Hum Vaccin Immunother
巻: 12(2) ページ: 336-43
10.1080/21645515.2015.1075678
Jpn J Infect Dis.
巻: ✕ ページ: ✕
http://doi.org/10.7883/yoken.JJID.2015.309
Infection
巻: 44 ページ: 1
10.1007/s15010-015-0844-0
Respir Res.
巻: 16(1) ページ: 145
10.1186/s12931-015-0304-5.
J Med Case Rep
巻: 9 ページ: 238
10.1186/s13256-015-0723-4
BMC Pulm Med
巻: 15 ページ: 126
10.1186/s12890-015-0130-z
J Clin Microbiol
巻: 53(4) ページ: 1436-1438
10.1128/JCM.03339-14
日本外科感染症学会雑誌
巻: 12(6) ページ: 643-646