研究課題/領域番号 |
25461532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂本 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333809)
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研究分担者 |
大浦 敏博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10176828)
植松 貢 東北大学, 大学病院, 講師 (90400316)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アミノ酸代謝異常症 / 分岐鎖アミノ酸 / てんかん / 自閉症 |
研究概要 |
平成25年度の研究実施計画は1)BCKDK 欠損症の遺伝子診断系の確立、2) 生化学的マス・スクリーニング系の確立対象、3)BCKDK 欠損症確定症例でのBCAA 補充療法の細胞レベルでの検討 である。 1)従来法のダイレクトシークエンスによる診断系を構築できた。 2)対象集団として「新生児マス・スクリーニング集団」および「自閉症・てんかん症候群の集団」を対象にする。「新生児マス・スクリーニング集団」においては、宮城県(出生数年間約1.8 万人)および青森県(8千人)においてタンデムマス法でのルーチンの測定項目である「ロイシン(+イソロイシン)」値が45μM未満(-2.7SDに相当)のものをピックアップしたところ、合算値が低値であるもので5名あった。いずれも低出生体重児であった。そのため、再採血がなされており、その時のには正常化していたため、栄養性の一過性のものと判断した。「自閉症・てんかん症候群の集団」に関連して、自施設での過去5年のアミノ酸測定のべ2310件の再検討では、イソロシンが基準値未満のものが151件あった。うちアミノ酸代謝異常症もしくは有機酸代謝異常症でタンパク制限を行っているものを除くとのべ9件(8症例)であった。さらにこの中でバリンおよびロイシンも基準値未満のものは4件(3症例)であった。これらのアミノ酸のパターンを検討したところ分岐鎖アミノ酸のみではなく、フェニルアラニン、メチオニンなどの他の必須アミノ酸も低値であり、栄養性のものと判断した。 よって現時点で3)を展開するには至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マス・スクリーニングから真の患者が発見されないため、細胞を使用した系の確立を展開するには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年の活動の一つのテーマである「BCKDK 欠損症を含めた特定な治療法を有する疾患群の遺伝子診断系の確立」へと展開し、BCKDK 欠損症単独の診断系の確立ののちには、BCKDK 欠損症と同様に、自閉症・てんかん症候群呈し、疾患特異的な治療法を有する疾患(アルギニノコハク酸尿症、クレアチントランスポーター欠損症など)を含めた包括的遺伝子診断系の確立を考える。具体的には次世代シークエンサーで利用可能な疾患パネルを作成する。 生化学的スクリーニング系からの症例の発見は引き続き実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
生化学スクリーニングでは患者発見に至らず、細胞学的実験に展開されなたったため。 二年目は次世代シークエンスを頻回に行うことが想定され、そちらでの費用に用いることを想定している。 未使用金は平成26年度分とあわせて使用する予定である。
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