研究課題/領域番号 |
25461533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
植松 貢 東北大学, 大学病院, 講師 (90400316)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エクソームシークエンス / 髄鞘化障害 / 遺伝子 |
研究概要 |
先天性髄鞘化障害の症例収集を継続し、PLP1、GJC2、MBP遺伝子のシークエンスとCGHアレイ法による18番長腕を含む全染色体の微細なコピー数異常の検索を行い、網羅的な髄鞘化障害の原因遺伝子解析を行った。平成25年度は、髄鞘化障害の新規症例の収集を行うと共に、エクソームシークエンスを行うためにこれまで収集した検体の両親の検体を収集した。そして、原因遺伝子が不明の症例16例(兄弟例2症例、トリオサンプルあり7症例含む)を収集できた。そのうち兄弟症例1家系について、次世代シークエンサーを用いたエクソームシークエンスを行って候補遺伝子の解析を行った。その結果、両親がヘテロで(1本ずつ)変異をもち、健常の同胞1名には変異が1本しかなく、髄鞘化障害同胞2名は2本とも変異をもつ、極めて有力な候補遺伝子の同定に成功した。次に、その新規遺伝子を他の15症例がもっていないか確認したが、同じ遺伝子に変異をもった症例はみつからなかった。そのため、他施設に依頼してさらに髄鞘化障害の20症例を収集し、遺伝子変異を持っているかサンガー法によるシークエンスで確認を行ったが、やはり同定した候補遺伝子に変異は見られなかった。そのため、その遺伝子変異が髄鞘化障害に関連していることを証明するために、蛋白などの機能解析が必要となり、ウェスタンブロットなどの解析を開始した。また、トリオサンプル7症例についても、エクソームシークエンスで解析をすすめ、候補遺伝子の検索を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
原因不明の症例に対するエクソーム解析が順調に進み、兄弟例で新規候補遺伝子1つを同定できた。他の原因不明の髄鞘化障害の症例で、同じ遺伝子異常を持つ症例がいるかどうかについて検討を行い、遺伝子をさらに20症例分収集し解析を行った。トリオサンプルも7家系収集でき、さらなる新規遺伝子検索を行える準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
1.同定した新規の髄鞘化障害候補遺伝子について、他の症例を検索するためにさらに症 例の収集を行う。 2.同定した新規遺伝子変異が病因であることを証明するために、蛋白発現や構造解析などの機能解析を進める。 3.他のトリオサンプルや原因不明の髄鞘化障害の症例についても、エクソームシークエンスを進めて、さらなる原因遺伝子の検索を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
新規遺伝子が見つかったのが年度後半であったため、購入が間に合わなかった機能解析関連の試薬などの購入のために次年度に使用したい 機能解析のための抗体やゲルなどの購入に充てる
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