研究課題/領域番号 |
25461535
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 幾磨 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10271909)
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研究分担者 |
菅野 潤子 東北大学, 大学病院, 講師 (30509386)
箱田 明子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70509398)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高アルカリフォスファターゼ血症 / 発達遅滞 / Mabry症候群 / HPMR症候群 / 全エクソンシークエンス |
研究実績の概要 |
全エクソンシークエンスにより、当該患者のPIGL遺伝子に2つの変異(欠失)を認め(c.36_48del;c.254_255del)、それぞれ患者の父親、母親由来であることが判明した。 患者の顆粒球の細胞表面におけるGPIアンカー蛋白の発現を、フローサイトメトリーで解析したところ、DAF、FLAER、CD24、CD16などの発現は、正常と比較して明らかに低下していた。 PIGLを喪失したCHO細胞に、野生型PIGLおよび上記変異PIGLをそれぞれ導入し、細胞表面GPIアンカー蛋白の発現をフローサイトメトリーで解析したところ、CD59、DAF、FLAERの発現は、いずれの変異遺伝子を導入した細胞でも野生型遺伝子導入細胞に比べて低下していた。このことから、患者のPIGLの2つの変異は、GPIアンカー生合成異常の原因であることが示唆された。 上記CHO細胞溶解物を用い、PIGL蛋白のウェスタンブロット解析を行ったところ、c.254_255del変異導入細胞ではPIGL蛋白は検出されなかった一方、c.36_48del変異を導入した細胞では、短い微かなバンドを2本認めた。PIGLの遺伝子配列を確認したところ、下流に翻訳開始コドンになり得るメチオニンが2ヵ所あり、ウェスタンブロットで確認された2本のバンドは、それぞれのメチオニンを開始コドンとするPIGLのアイソフォームが形成されたものと考えられた。 以上の結果より、当該患者で認められたPIGLの変異は、HPMR症候群(Mabry症候群)の原因であることが明らかとなった。
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