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2015 年度 実績報告書

トリオ検体におけるアレイCGH法を用いた、ウエスト症候群の原因遺伝子検索

研究課題

研究課題/領域番号 25461536
研究機関東北大学

研究代表者

福與 なおみ  東北大学, 大学病院, 助教 (90400366)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードウエスト症候群 / infantile spasms / アレイCGH / トリオ検体 / 次世代シーケンサー / エクソーム解析 / de novo
研究実績の概要

ウエスト症候群は乳児期に発症しepileptic spasm、脳波上hypsarrhythmia、重度の精神発達遅滞を特徴とするてんかん性脳症の一つで、その遺伝学的背景の大部分は不明である。申請者は、Gバンド法により染色体異常症(Smith-Magenis症候群)が明らかになった小奇形を伴うウエスト症候群の症例を初めて報告し、原因不明の潜因性ウエスト症候群に小奇形を伴う症例が多いことに着目してきた。小奇形と精神遅滞を伴うことは、染色体異常の存在を示唆する現象であるが、通常のGバンド法で染色体異常が検出されることは稀である。そこで、マイクロアレイCGH法による解析を行ってきた。全例が弧発例であることに着目し、患児に存在し、罹患していない両親には存在しないde novoのコピー数異常(CNV)領域を解析することは、ウエスト症候群の疾患感受性遺伝子の検索につながる。孤発患者とその両親のトリオ検体を対象に、マイクロアレイCGH法で解析したところ、18例中2例に認めたそれぞれde novoのCNV(Del 19p13.2, Dup Xq27.2q28)は、てんかんと発達遅滞に関連する既知の遺伝子を含んでおり、ウエスト症候群の原因と考えられた。
コピー数という量的変化のみならず、その中の配列変異や構造多型などの質的変異を効率よく解明する方法として、次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析がある。そこでCNVを認めなかったトリオ検体14例において、次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析によりde novoの塩基配列変化を検索した。その結果、てんかん性脳症の既知の原因遺伝子(SLC35A2, ALG13)異常のほか、新規の候補遺伝子(NR2F1,BRWD3,CACNA2D1)を検出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Genomic analysis identifies candidate pathogenic variants in  9 of 18 patients with unexplained West syndrome2015

    • 著者名/発表者名
      Naomi Hino-Fukuyo, Atsuo Kikuchi et al.
    • 雑誌名

      Hum Genet

      巻: 134 ページ: 649-658

    • DOI

      10.1007/s00439-015-1553-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 網羅的ゲノム解析によって候補遺伝子が明らかになった潜因性West症候群2015

    • 著者名/発表者名
      福與なおみ他
    • 学会等名
      日本てんかん学会
    • 発表場所
      長崎(長崎ブリックホール)
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
  • [学会発表] 潜因性West症候群の網羅的ゲノム解析ー18症例中9例で候補遺伝子を同定-2015

    • 著者名/発表者名
      菊池敦生、福與なおみ他
    • 学会等名
      第60回日本臨床遺伝学会
    • 発表場所
      東京(京王プラザホテル)
    • 年月日
      2015-10-14 – 2015-10-17
  • [学会発表] 潜因性West症候群に対する 網羅的ゲノム解析による遺伝学的診断の有用性2015

    • 著者名/発表者名
      菊池敦生、福與なおみ他
    • 学会等名
      第57回日本小児神経学会
    • 発表場所
      大阪(帝国ホテル大阪)
    • 年月日
      2015-05-28 – 2015-05-30

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公開日: 2017-01-06  

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