研究課題/領域番号 |
25461537
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
早坂 清 山形大学, 医学部, 名誉教授 (20142961)
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研究分担者 |
沼倉 周彦 山形大学, 医学部, 講師 (00400549)
阿部 暁子 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (10536949)
高橋 信也 山形大学, 医学部, 医員 (20536958) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Charcot-Marie-Tooth病 / cytochrome c oxidase / COX6A1 |
研究実績の概要 |
Charcot-Marie-Tooth (CMT)病は有病者が2500人に1人と,最も頻度の高い遺伝性ニューロパチーである.現在までに,30以上の病因遺伝子が明らかにされている.しかし,日本人CMT病では,約半数の病因遺伝子が不明であり,新規病因遺伝子の解明が待たれる. 私達は,劣性遺伝を示す中間型CMT病の2家系について,SNPsマイクロアレイを用いて連鎖部位を決定し,次世代シークエンサーを用いて全ゲノムシークエンスを解析した.患者さんの末梢血白血球およびEBウイルス形質転換リンパ芽球を用いて,cytochrome c oxidase (COX) 酵素活性,COX6A1mRNAおよびATPの含量を測定した.Cox6a1 ノックアウトマウスの組織の病理学的および生化学的解析を施行した. 結果は,12q24への連鎖(LOD 4.23)を確認し,更に全ゲノムシークエンスを解析し,cytochrome c oxidase subunit VIa polypeptide 1 (COX6A1)遺伝子の 5塩基の欠失(c.247_10_247_6delCACTC)を検出した。末梢血白血球およびEBウイルス形質転換リンパ芽球におけるmitochondrial respiratory complex IV(COX)活性,COX6A1mRNAおよびATP含量の有意な低下を確認した.Cox6a1 ノックアウトマウスでは,歩行困難を呈し,神経原性の筋の萎縮,神経伝導速度の遅延,COXの活性低下およびATP含量低下を確認した.COX6A1変異は、中間型CMT病の病因であることを確認した. 未だ病因不明な症例が多数存在する.全ゲノムシークエンス解析による解明が期待される.症例の積み重ねにより遺伝子型―臨床型の関係が明らかにされるものと考える.
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