小児がんの治療後に生じる晩期合併症のうち内分泌学的異常は主要な位置を占めている。性腺機能低下症と妊孕性低下はサバイバーシップに関わる重要な問題であるが、小児は性腺機能と妊孕性の評価が困難である。女性はがん治療により原始卵胞数が低下するが月経はみられる場合があり、早発閉経のリスク評価が求められる。本研究はがん治療による性腺障害を低減させた治療法開発と妊孕性温存を目標として、小児がん患者の性腺機能と妊孕性の現状について検討した。また小児がん患者の卵巣予備能の指標として、血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)測定の有用性と至適な評価時期について明らかにした。
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