研究課題
米国Autism Tissue program から自閉症および定型発達患者の脳組織の追加提供を受けた。全体でサンプル数は前頭葉は自閉症脳18ケース(平均年齢 14.7歳)、コントロール27ケース(平均年齢 26.2歳)、小脳は自閉症5ケース(平均年齢 7.6歳)、コントロール5ケース(平均年齢8.0歳)であった。抗ヒト造血器型プロスタグランジンD合成酵素(HPGDS)抗体、アストロサイトのマーカーである抗GFAP抗体、ミクログリアのマーカーである抗CD68抗体を用いて免疫染色を行った。結果、前頭葉(BA9)及び小脳においてミクログリアおよびHPGDS陽性細胞の有意な増加を確認した。日齢2から日齢15までの幼弱マウスへのHPGDS阻害剤投与を行ったところ、体重増加が不良であったため、現在投与量の調整を行っている。また、自閉症モデルラットであるScn1a欠損ラットの提供を受け、HPGDS, Iba1, GFAPなどの抗体で免疫染色を行い、ミクログリア、HPGDS陽性細胞のカウントを行っている。
2: おおむね順調に進展している
入手が困難なヒト脳サンプルを入手し、かつ、免疫染色条件が確定し染色がすすんでいる。さらに、染色された組織における、陽性細胞のカウントも終了している。さらに自閉症モデルラットとしてScn1aラット脳を入手し、現在免疫染色及び陽性細胞のカウントを行っている。
HPGDS阻害剤投与量の調整を行い、それらのマウスでのシナプス形成を評価する。また、前頭葉ニューロンのプライマリーカルチャーの系において、PGD2が神経伸展に影響を及ぼすかを検討する。
本年度予定していたマウスを使った実験で実験条件の調整に時間がかかっているため、マウス飼育費が予想より低かった。
条件設定次第、マウスを飼育するため、差額の分は次年度にマウス飼育費として使用予定である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
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