ダウン症候群は21番染色体のトリソミーによって起こる。多彩な合併症を呈し、とくに造血異常が特徴的に見られる。申請者は21トリソミーとGATA1変異によって引き起こされる一過性骨髄異常増殖症(TAM)に注目した。TAMのメカニズムおよび原因領域を明らかにするために、ダウン症患者から樹立したヒトiPS細胞とゲノム編集技術を組み合わせTAMの実験モデルの確立を行った。とくに21番染色体上にある4Mbの領域をアレルの1本から欠失させた「21番部分トリソミーiPS細胞」を作製し、血球分化誘導を行うことによって、責任領域を決定することに成功した。
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