研究課題
本研究の目的は、(1)超低出生体重児(ELBW)、極低出生体重児(VLBW)における共同注意行動の発達を明らかにすること、(2)音声解析技術を用いて、ELBW、VLBWにおける表出性言語発達の特徴を明らかにすること、の2点である。共同注意行動の発達に関する研究には、ELBW 21人(男児12人、女児9人)、VLBW 18人(男児7人、女児11人)、NBW 50人(男児28、女児22人)が参加した。また、それらの児のうち、LBW10人、NBW6人の計16人を対象に、修正6ヵ月から修正24か月まで3ヵ月ごとに母子での自由な遊び場面を設定し、経時的に音声収録を実施した。一連の研究から、(1)ELBW、VLBWにおいては、共同注意行動の発達が正体重児(NBW)に比べて遅れること、(2)Baron-CohenらのCHAT Section Bを基に作成した共同注意行動観察法はM-CHAT質問紙での結果とよく一致し、健診場面での有用なツールとなりうること、が明らかとなった。さらに、経時的に採取した乳幼児の音声データをコンピューターソフトを用いて解析することによって、喃語から有意味語にかけての音声の定量的変化パターンを明らかにすることができた。乳児期の音声解析パターンと2歳前後での共同注意行動の関連性を明らかにすれば、自閉スペクトラム症(ASD)の早期支援に応用できると考えており、現在までに集積した乳幼児音声データの解析を引き続き進めていく予定である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)
Pediatr Int.
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神戸大学大学院保健学研究科紀要
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