研究課題/領域番号 |
25461555
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
木住野 達也 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 准教授 (70315232)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲノムインプリンティング / Snrpn / BACトランスジェニックマウス |
研究実績の概要 |
PWS-ICコンディショナルKO;GFP-KIマウスのC57BL6及びPWKバックグラウンドでの交配は、F3からのバッククロスを重ね、いずれもF7まで現在までに進んでいる。 1)平成25年度に報告したようにDNAメチル化とKIアレルの発現の相関をみるために、Dnmt1 nullマウスにおける父親由来KIアレルからの遺伝子発現を解析したところ、DNAメチル化に関係なく父親由来KIアレルからの遺伝子発現は見られなかった。このことからKIアレルにおける遺伝子制御はDNAメチル化によるものではなく、KIによる構造的な不活化が考えられた。なおDnmt1 nullマウスにおける遺伝子発現解析は、日本小児神経学会(ポスター)にて発表し、雑誌GENE(2014)に報告した。 2)PWS-ICコンディショナルKO;GFP-KIマウスの表現型は新生時期致死であるため、その症状をrescueする目的で、PWS責任領域に存在し、PWSで発現が抑えられている遺伝子(Ndn, Magel2, MKrn3など)を含むBACクローンから、BACトランスジェニックマウスを作成した。現在まで2系統樹立できた。今後、BACトランスジェニックマウスにおけるこれらの遺伝子の発現量を解析した後、BACトランスジェニックマウスとPWS-ICコンディショナルKO;GFP-KIマウスを交配し、BACにより新生時期致死を回避できるか検討する。 3)Talenを用いたゲノム編集によるpA因子の削除は、候補ESクローンを単離し、現在そのES細胞における遺伝子解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNAメチル化とKIによる遺伝子発現抑制は直接には関連しないという新しい事実をつきとめた。 BAC transgenicマウスを作成する事ができ、今後の研究の幅が広がった。 ES細胞におけるゲノム編集にはまだ幾つか克服すべき問題点がある
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今後の研究の推進方策 |
BAC transgenicマウスの解析を急ぐとともに、PWS-ICコンディショナルKO;GFP-KIマウスとの交配による症状軽減の有無を解析する
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入において245040円の物品を購入することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分として請求した助成金と合わせ、物品購入に充てる
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