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2013 年度 実施状況報告書

日本人における熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25461557
研究種目

基盤研究(C)

研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

中山 純子  茨城県立医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30433155)

研究分担者 有波 忠雄  筑波大学, 医学医療系, 教授 (10212648)
岩崎 信明  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
野口 恵美子  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344882)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード熱性けいれん / 遺伝子 / ダイレクトシークエンス法
研究概要

血縁関係のない日本人熱性けいれん患者24名を対象として遺伝子変異解析を行った。候補遺伝子としては、「5q14.3-q15微小欠失症候群」の欠失領域からてんかんの候補遺伝子と考えられているGPR98遺伝子(G protein-coupled receptor 98)とMEF2C遺伝子(Mad box transcription enhancer factor 2, polypeptide C)を対象とした。
GPR98遺伝子については、全90エクソンのうち我々が以前にMASS1遺伝子(Monogenic audiogenic seizure susceptibility 1, mouse, homolog of)として解析した35エクソンを除いた55エクソンを含む領域について解析を行った。対象エクソンを含む領域をPCR増幅し、ABI PRISM 3100 DNA Sequencerを用いてダイレクトシークエンス法により遺伝子変異の検索を行った。14領域にわたり22の変異が同定された。22の変異のうち9つの変異がエクソン内に存在しており、残りの13変異はイントロン領域に存在した。エクソン内の9つの変異のうち、5つの変異はアミノ酸置換を伴うミスセンス変異であったが残りの4つはアミノ酸置換を伴わないサイレンス変異であった。これらの5つのミスセンス変異についてデータベース上で解析したところ、すべてすでに報告のある遺伝子多型であった。
MEF2C遺伝子についてもダイレクトシークエンス法により遺伝子変異検索を行った。MEF2C遺伝子についてはパイロット的に2011年にシークエンスを行っており、その時には5個の遺伝子変異が同定されていたが、すべてすでに報告のある遺伝子多型であった。今回の解析では以前に同定したそれらの遺伝子変異のほかに新しい変異は同定されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は、当初の研究計画どおりGPR 98遺伝子の未解析部分のダイレクトシークエンスと、MEF2C遺伝子のダイレクトシークエンスによる遺伝子変異検索を終了することができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度に行ったダイレクトシークエンス法による遺伝子変異解析では、熱性けいれんに特異的と考えられる遺伝子変異は同定されなかった。そのため、平成26年度以降は当初の研究計画どおり、MLPA(Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)法による候補遺伝子の変異検索を開始し、ダイレクトシークエンス法では検出することができない遺伝子内の微小欠失や微小重複などの異常を検出することを目的とする。
解析の対象は平成25年度と同様に血縁関係のない日本人熱性けいれん患者24名とし、候補遺伝子としてはGPR98遺伝子とMEF2C遺伝子を解析する。方法としては、まずデータベースからそれぞれの遺伝子の塩基配列を入手し、MLPA用プローブを設計する。次に患者DNAを加熱により変性させ、MLPA用プローブを添加し一晩ハイブリダイゼーション反応を行う。次に15分間のライゲーション反応を行う。その後PCR増幅を行い、ABI PRISM 3100 DNA Sequencerを用いて電気泳動を行い、目的領域の欠失や重複などのコピー数異常の有無を検討する。MLPA解析にはSALSA MLPA試薬(FALCO biosystems)を用いる。
MEF2C遺伝子については、当初の計画どおり全エクソンを含む領域を対象とする予定である。GPR98遺伝子は既知の膜蛋白の中でも最大の蛋白で非常に大きな遺伝子であるため、GPR98遺伝子については全エクソンではなく、重要なドメイン部分を中心に解析する予定である。またGPR98遺伝子については、平成26年度内には解析が終了しない可能性が高いため、平成27年度も引き続き解析を継続する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度はすでに作成していたプライマーや購入済みの試薬を用いて実験を行った。平成26年度は研究代表者が実験を行っている筑波大学遺伝医学教室でこれまでに誰も行ったことのないMLPA法による解析を開始するため、試薬等を一からすべて準備する必要があり、平成25年度分の研究費を次年度に繰り越して使用することとした。
次年度使用額については、MLPA法による遺伝子変異解析のための試薬の購入に使用する予定である。
具体的には、MLPA用プライマー、SALSA MLPA試薬(Falco biosystems)、ダイレクトシークエンス用試薬(Applied biosystems)を購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A novel homozygous mutation of GJC2 derived from maternal uniparental disomy in a female2013

    • 著者名/発表者名
      Shimojima K, Tanaka R, Shimada S, Sangu N, Nakayama J, Iwasaki N, Yamamoto T
    • 雑誌名

      J Neuros Sci

      巻: 330 ページ: 123-126

    • DOI

      10.1016/j.jns.2013.04.017.

    • 査読あり
  • [学会発表] Pelizaeus-Merzbacher-like disease患者に認められたGJC2ホモ変異は母親性ダイソミーによるLOHによって生じた

    • 著者名/発表者名
      下島圭子、田中竜太、島田姿野、三宮範子、中山純子、岩崎信明
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第58回大会
    • 発表場所
      仙台

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公開日: 2015-05-28  

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