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2013 年度 実施状況報告書

神経可塑性における細胞接着分子Arcadlinの役割

研究課題

研究課題/領域番号 25461563
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京女子医科大学

研究代表者

竹宮 孝子  東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70297547)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードArcadlin / てんかん / キンドリング / 発作脳波 / after discharge
研究概要

てんかん原性の獲得や発作の進展に対するArcadlinの作用を調べるために、arcadlinノックアウトマウス(acad-/-)と野生型マウス(wt)を用いて、扁桃体慢性キンドリング実験を行い、両群の発作脳波や痙攣行動を比較検討した。キンドリングは1日1回、閾値+50uAの刺激強度で実施し、脳波と行動を同時に記録・観察した。慢性キンドリングでは、扁桃体刺激によって発作脳波(after discharge:AD)が誘発され、その程度によりてんかんに関連した行動変化(Stage 1:facial twitch, head nodding; Stage 2:forelimb clonus, realing; Stage 3:unilateral hindlimb clonus; Stage 4:bilateral hindlimb clonus, imbalance, sitting; Stage 5:falling)が起こることがわかっているため、acad-/-とwtを比較し扁桃体におけるてんかん原性の獲得や発作の進展に対するArcadlinの作用を調べた。閾値強度に差はなかったが、AD durationの進展ではacad-/-の方が有意に早く進展し、total AD durationもacad-/-の方が有意に長かった。また、stage5が5日連続で発生するまでに要した日数はacad-/-の方が有意に少なかった。また、キンドリング後の海馬において、9日以降にArcadlinタンパクの発現が強まっていた。以上より、Arcadlinはてんかん発作の進展を促進することがわかった。また、痙攣発作自体がArcadlinの誘導に関わっていることがわかっているため、てんかん痙攣発作が繰り返されれば、新たに誘導されたArcadlinが次の痙攣発作を悪化させるという相互作用があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の研究実施計画に示した実験結果から、Arcadlinの作用として、てんかん痙攣発作の進展におけるArcadlinの作用が明確になった。

今後の研究の推進方策

扁桃体キンドリングの経過中にArcadlinは海馬で発現強度が高まったことを考えると、Arcadlinは海馬においても機能的役割があることが推定される。平成26年度は、脳内海馬の大きな役割である記憶・学習機能におけるArcadlinの作用を調べる。

次年度の研究費の使用計画

計画していたマウスの匹数が繁殖の関係で得られなかったため平成25年度の物品費用が抑えられた。
25年度に行った実験のマウス匹数で有意な結果が得られていることから、同じ実験を追加する必要はないと考えている。痙攣発作の誘発方法を変えて、同じ成果が得られるか確かめる予定はあるが、平成26年度は、主に海馬機能として重要な記憶・学習に焦点を絞って重点的に研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Microsomal prostaglandin E synthase-1 aggravates inflammation and demyelination in a mouse model of multiple sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi C, Matsumoto Y, Kohyama K, Uematsu S, Akira S, Yamagata K and Takemiya T
    • 雑誌名

      Neurochem Int.

      巻: 62 ページ: 271-280

    • DOI

      10.1016/j.neuint.2012.12.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Traveled distance is a sensitive and accurate marker of motor dysfunction in a mouse model of multiple sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Takemiya T and Takeuchi C
    • 雑誌名

      ISRN Neurosci

      巻: 2013 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1155/2013/170316

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Variation in EAE scores in a mouse model of multiple sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi C, Yamagata K and Takemiya T
    • 雑誌名

      Wr. J. Neurol.

      巻: 3 ページ: 56-61

    • DOI

      10.5316/wjn.v3.i3.56.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intercellular signaling pathway among endothelia, astrocytes, and neurons in the excitatory neuronal damage.2013

    • 著者名/発表者名
      Takemiya T and Kanato Yamagata K.
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci.

      巻: 14 ページ: 8345-8357

    • DOI

      10.3390/ijms14048345

    • 査読あり
  • [学会発表] Microsomal prostaglandin E synthase-1 aggravates inflammation and demyelination in mouse model of multiple sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Takako Takemiya, Chisen Takeuchi, Kanato Yamagata.
    • 学会等名
      第56回日本神経化学会大会、第36回日本神経科学大会、第23回日本神経回路学会大会 合同大会,
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-20130623

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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