研究課題/領域番号 |
25461568
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 准教授 (20332687)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Rett症候群 / Mecp2 |
研究実績の概要 |
昨年度までに、RTTモデル(Mecp2欠損)ES細胞、iPS細胞を用いたグリア細胞の性状解析を行なうために、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの分化誘導系の確立を行なっており、それぞれの分化マーカーを発現することを確認している。近年、ミクログリアの脳の発達、精神神経活動に及ぼす影響に付いてはトピックとなっており、本年度は、RTTモデルES細胞のミクログリアの分化誘導とその性状に関する研究を中心に進めることにした。 その結果、RettモデルES細胞よりマクロファージ/ミクログリアマーカーを発現する細胞を分化誘導し、その分化マーカーの発現やマクロファージ/ミクログリアにおけるサイトカインの遺伝子発現を比較検討し、いくつかの遺伝子発現がMeCP2欠損の有無で変化することを見出した。また現在、分化誘導したマクロファージ/ミクログリアの性状を解析する目的で、サイトカインに対する反応性やサイトカインの分泌能に関する解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コントロールのWild-typeとMecp2欠損ES細胞から、マクロファージ/ミクログリアマーカーを発現する細胞を分化誘導後、その分化マーカーやマクロファージ/ミクログリアにおけるサイトカイン遺伝子の発現を比較検討し、いくつかの遺伝子発現がMeCP2欠損の有無で変化することを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
RTTモデルES細胞より分化誘導したマクロファージ/ミクログリアマーカーを発現する細胞のサイトカインに対する反応性、サイトカイン分泌能、食作用など機能的な評価を進めることで、Mecp2欠損がES細胞由来ミクログリアに及ぼす影響を更に詳細に解析する。また、変化の認められた分子の病態における役割を明らかにするために、RTTモデル(Mecp2欠損)マウスの脳組織を解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進捗状況により、モデル動物の標的臓器のDNAマイクロアレイを実施する予定であったが、実験結果の考察により検討の末、更に実験を行なった後、解析を行なうのが望ましいとの判断で、次年度以降のマイクロアレイのための外注や試薬の購入費として繰り越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
判断材料となる実験を実施後、マイクロアレイやプロテオミクス解析を行なうため予算として使用予定である。
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