研究課題
研究目的:これまでRett症候群(RTT)モデル(Mecp2欠損)ES細胞を用いたグリア細胞の性状解析を行なうために、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの分化誘導を行なってきた。しかし近年、RTT病態におけるミクログリアの役割が注目されており、昨年度より、RTTモデルES細胞のミクログリアの分化誘導とその性状に関する研究を中心に進めることとした。既に、RTTモデルES細胞より分化誘導したマクロファージ/ミクログリアマーカーの分化過程や種々のサイトカインの発現を調べた結果、いくつかの遺伝子発現がMeCP2欠損の有無で変化することを見出しており、本年度は、MeCP2欠損マクロファージ/ミクログリアの性状を解析するために、MeCP2欠損ミクログリアにおける種々の活性化刺激に対する反応性や機能を評価した。研究成果:その結果、MeCP2欠損ES細胞由来ミクログリアは、野生型ES細胞由来ミクログリア細胞と同様に、様々な免疫刺激などによる基本的な反応性、貪食作用を有しているものの、反応の異なる因子があることが明らかとなった。現在、MeCP2欠損マウス由来の初代培養ミクログリアとの機能をはじめとする比較やin vivoにおける解析を進めており、MeCP2の有無で反応の異なる因子の役割を明らかにして行くことで、MeCP2欠損ミクログリアによる病態機構が明らかになると期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件)
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