本研究では、染色体の構造異常が見られる3名の知的障害児の染色体解析を行った。5番染色体の短腕逆位を伴った症例は、断点が同じ逆位を健常な父親に認めた。12番と20番染色体の両短腕間でのde novoの均衡型相互転座の症例は、12番の断点部位がSOX5の中にあった。Nager症候群の症例は、病因遺伝子SF3B4を含む約347 kbの微小欠失を1q21.2に同定した。以上、第1例は5番染色体短腕の逆位以外が病因であり、第2例はSOX5欠損症、第3例はSF3B4を含む微小欠失が病因であることを明らかにした。
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