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2013 年度 実施状況報告書

T細胞受容体再構成異常が基盤とした発がん機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25461580
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高木 正稔  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10406267)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードATM / VDJ
研究概要

ATM欠損マウスを用いてT細胞分化を検討した。T細胞は胸腺内でCD4、CD8二重陰性細胞(DN細胞)からCD4、CD8二重陽性細胞(DP細胞)へと分化する。この過程でT細胞受容体のV(D)J領域で再構性が起こる。ATM欠損マウスではこのV(D)J領再構成がスムーズに進行しないためDN期、DP期で細胞分化が停滞することが明らかとなった。V(D)J領再構成過程はRAGによって切断されたV(D)J領域のゲノムDNAが非相同末端結合によって結合する。この際RAGによって生じたDNA2重鎖切断はDNA損傷として認識され、ATM依存のDNA損傷応答機構が活性化され、細胞周期停止を行いその間に非相同末端結合を行う。しかしATM欠損細胞ではRAGによってDNA2重鎖切断が起こっても、細胞周期停止が起こらず、DNA2重鎖切断をかかえたまま細胞周期が進行してしまい、染色体転座が起こることが明らかとなった。しかし染色体転座のみでは腫瘍化には十分でないことが明らかとなっている。染色体転座によって何らかの腫瘍化に係る遺伝子群の発現が変化することが予想される。そこで、どういった遺伝子群が変化するか、DN期細胞を満ちいて発現アレイ解析で検討した。その結果、ケモカインや自然免疫にかかわる分子がATM欠損細胞では発現量が変化することが明らかとなった。こういった遺伝子群の発現上昇が腫瘍化とどのような関係にあるか、今後一つずつ検討していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発現アレイ解析によって得られた分子はこれまでATMとの関連は報告されていないものの、ATの病態からは関連は深いと推測される。今後これら分子の発現量の変化がATの病態にどの様に影響するか検討したい。

今後の研究の推進方策

発現アレイ解析によって得られたATM依存的に発現量が変化する分子がATの病態にどの様に影響するか、細胞生物学的に検討する。これら腫瘍化にはATM欠損細胞で観察された染色体転座とこれら分子の発現量がどのような関係にあるか検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 毛細血管拡張性運動失調症-原発性免疫不全症から血液悪性腫瘍発症機構に迫る-2013

    • 著者名/発表者名
      高木正稔
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      札幌市、北海道
    • 年月日
      20131011-20131013

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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