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2014 年度 実施状況報告書

NK細胞療法における最適なドナー選定方法とキメラ型人工受容体発現の新手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25461581
研究機関新潟大学

研究代表者

今井 千速  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90419284)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードNK cell / chimeric receptor / trogocytosis / KIR haplotype
研究実績の概要

【1】 健常者における刺激型NK細胞受容体群の遺伝的プロファイルとNK細胞機能解析
約40人の健常者から協力を得て末梢血を採取した。以下の通りに解析は進んでいる。
①KIRタイピングキットを用いてKIR genotypingを実施した。その結果から、KIR haplotype AあるいはB、centromeric A/A, A/B or B/B、telomeric A/A, A/B or B/BおよびB content scoreを判定した。②NK細胞受容体群のなかで活性化受容体として最も重要とされるNKG2Dの遺伝子多型をTaqman PCRで判定した。③NK細胞における測定可能な受容体群の発現レベルを定量的に検討した。④殺傷能(細胞障害活性)をCD107a mobilization assayで評価した。⑤K562との共培養後の活性化マーカーCD69, CD25の発現に関して、定量的に解析した。⑥K562-mb15-41BBLとの共培養によるNK細胞の体外増幅率を測定した。⑦Cytokine Beads Array(CBA)により網羅的サイトカイン解析を実施した。刺激前およびK562刺激後の培養液上清を採取し、サイトカイン、ケモカイン、その他の生理活性物質についてCBA解析した。
【2】 Trogocytosis-based CAR transfer:donor-cell lineの作製とキメラ型受容体Transfer K562にCAR遺伝子(anti-CD19-BB-z)およびコントロール遺伝子(anti-CD19-truncated)を導入した。それぞれ2種類のBulk株からLimiting dilution 法によりクローン化を行い、いくつかの高発現株を得た。Trogocytosisについて検討したところ、CARの転送(Trogocytosis)を確認できた。しかしながら、Trogocytosis後のNK細胞のCD19抗原特異的活性化が明白でなく、反応の検出系の再検討だけでなく、さらなるCAR発現量の向上が必須と思われ、現在改善に向けて新たに娘株を樹立中である。またNK細胞を効率的に刺激できるFeeder cell line K562-mb15-41BBL細胞をベースにした新たなDonor cell lineを作製することも検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画書に記載した内容に、わずかに遅れた形で進んでいる。
【1】のテーマについては当初の予定数には達しており、またサイトカイン解析も実施済みである。現在、KIRタイピングおよびNKG2Dタイピングによる群分けに基づき、NK細胞機能への遺伝的素因の影響について、刺激前定常状態の横断的比較、刺激前後の増減率、また刺激後の横断的比較検討を実施中である。
【2】Trogocytosis-based CAR transferにおいては、donor-cell lineの作製は概ね順調であるが、K562-mb15-41BBLをベースにした新たなDonor cell lineの作成は遅れている。キメラ型受容体Transferの予備実験には成功しているものの、まだ実施回数が不十分である。

今後の研究の推進方策

「健常者における刺激型NK細胞受容体群の遺伝的プロファイルとNK細胞機能解析」については、概ね予定通りに進んでおり、現在統計学的処理を含めて、検討中である。現時点では計画の変更・見直しは不要と考えている。今年度中の論文発表を目指していく。
「Trogocytosis-based CAR transfer:donor-cell lineの作製とキメラ型受容体Transfer」については、研究のさらなる発展のために、CAR遺伝子移転後のNK細胞機能解析にさらなる工夫が必要と考えているが、現在鋭意検討中である。新たなdonor-cell lineの作成について、進行速度を上げられるように努力する。

次年度使用額が生じた理由

計画よりもやや進行が遅れていることで物品費購入を中心に予定よりもわずかに少ない支出となった。

次年度使用額の使用計画

本年度に持ち越された解析、研究計画を遂行する。また研究成果の発表に際する支出も増加する予定であり、計画通りに執行可能と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Autonomous growth and increased cytotoxicity of natural killer cells expressing membrane-bound interleukin-152014

    • 著者名/発表者名
      Imamura M, Shook D, Kamiya T, Shimasaki N, Chai SM, Coustan-Smith E, Imai C, Campana D
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 124 ページ: 1081-1088

    • DOI

      10.1182/blood-2014-02-556837.

    • 査読あり
  • [学会発表] 小児がん・白血病の最近の話題 ~整形外科的問題を呈する症例を中心に~2014

    • 著者名/発表者名
      今井千速
    • 学会等名
      第2回Niigata OS Meeting
    • 発表場所
      新潟グランドホテル、新潟市中央区
    • 年月日
      2014-10-22 – 2014-10-22
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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