研究課題/領域番号 |
25461603
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
土屋 邦彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90381938)
|
研究分担者 |
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20285266)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 横紋筋肉腫 / microRNA / 腫瘍マーカー / miR-206 |
研究実績の概要 |
我々は筋特異的に発現するmicroRNAであるmiR-206を用いた横紋筋肉腫の新規血清診断法を開発した。これは、腫瘍に発現しているmicroRNAが、腫瘍から分泌され、循環血中に移行することを利用したものである。本研究では、これらのmicroRNAについて、予後との相関の解析を行い、転移性横紋筋肉腫の治療戦略の構築を行うことを目的とする。 横紋筋肉腫患者血清検体においてmiR-206遺伝子を血清中で検出し、非侵襲的な診断、層別化治療への応用について検討している。小児がん患者血清検体60検体(横紋筋肉腫28例、非横紋筋肉腫32例)を対象として、血清200 μlを用いてmicroRNAを抽出し、定量的リアルタイムPCRにより血清1μl当たりのコピー数を測定した。横紋筋肉腫症例の血清中のmiR-206コピー数は有意に増加(p<0.001)しており、カットオフ値を164.1コピーとした場合、感度0.714、特異度0.938、ROC曲線下面積0.8705と高い診断精度を示した。血清中のmiR-206コピー数は、転移例においては、限局例と比較して有意に上昇していた(p<0.001)。血清miR-206高発現群の2.5年無再発生存率は10.7%と、低発現群の77.9%と比較して有意に低かった(p=0.0081)。血清miR-206発現は、横紋筋肉腫症例において有意に高値であり、新規診断的バイオマーカーとして有用であることが証明された。また、血清miR-206発現は、転移例において高値を示し、かつ、高発現群の無再発生存率が有意に低値であることより、新規予後因子となりうることが示唆された。今回の解析は後方視的な検討であり、今後、臨床研究グループの前向き試験において、多数例で検証予定である。
|