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2013 年度 実施状況報告書

iPS細胞技術を用いたガンマグロブリン不応川崎病に対する新規治療標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25461604
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

池田 和幸  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30507786)

研究分担者 浜岡 建城  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60189602)
長船 健二  京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80502947)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードiPS細胞 / ガンマグロブリン療法(IVIG) / IVIG不応川崎病 / マイクロアレイ / 血管内皮細胞
研究概要

【目的】本研究は、ガンマグロブリン療法(IVIG)反応および不応川崎病患者からiPS細胞を樹立し、川崎病の病態を模倣する新規試験管内疾患モデルの確立とそれを用いたIVIG不応の機序解明を目的とする。
【方法】対象は、IVIG反応例2例(ともに16歳女性)、IVIG不応例2例(12歳、14歳男性)。患者由来の皮膚線維芽細胞(n=3)または末梢血T細胞(n=1)にエピソーマルベクターを用いて初期化6因子(OCT3/4, SOX2, KLF4, L-MYC, LIN28, p53 shRNAの6因子)を導入しiPS細胞を作製した。
【結果】川崎病患者4例から皮膚組織または末梢血を採取し、iPS細胞を樹立した。川崎病患者由来iPS細胞は、ヒトES細胞と同様の遺伝子発現と三胚葉への多分化能を有し、さらに、川崎病の病態形成に重要な役割を果たす血管内皮細胞および単球にin vitroで分化誘導可能であった。作製された単球の機能解析を行ったところ、生体内の単球と同様のサイトカイン産生能を示した。現在、マイクロアレイを用いて患者由来iPS細胞から誘導した血管内皮細胞の遺伝子発現解析を行っており、本発表においては解析結果についても提示したい。
【考察】川崎病患者の体細胞からiPS細胞の樹立が可能であった。さらに、患者由来iPS細胞から血管内皮細胞および単球への分化誘導が可能であった。今後、作製された血管内皮細胞および単球を用いて、共培養実験系を用いたIVIG不応関連分子の探索を行う方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の1年間で①川崎病患者の体細胞からiPS細胞の樹立、②患者由来iPS細胞から血管内皮細胞および単球への分化誘導の確立まで行うことができ、極めて順調に実験が遂行できていると判断している。

今後の研究の推進方策

①川崎病患者iPS細胞由来血管内皮細胞および血管平滑筋細胞のマイクロアレイ解析が現在進行しており、川崎病冠動脈障害に関する病態関連分子の探索を行う。
②共培養実験系を用いた病態関連分子の探索:患者iPS細胞由来の血管内皮細胞と単球の共培養実験系を用いた病態関連分子の探索を行う。
③上記の実験から得られた病態関連候補分子のin vitroでの検証:同定した病態関連候補分子のsiRNA, cDNAの強制発現系を構築し、候補遺伝子のうち病態への関与の疑われる分子の絞り込みを行う。

次年度の研究費の使用計画

iPS細胞から誘導した血管内皮細胞を用いた刺激実験を繰り返し施行している状況であり、新規試薬の購入を一時待機していたため、次年度繰越となった。
iPS細胞の培養液が非常に高額(500ml 22000円)であり、次年度繰越金はこれにあてる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] iPS細胞技術を用いたガンマグロブリン不応川崎病の病態解明2014

    • 著者名/発表者名
      池田和幸、天久朝廷、松井敏、八幡倫代、岡本亜希子、鈴木千夏、長船健二、濱岡建城
    • 学会等名
      第117回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20140411-20140413
  • [学会発表] iPS細胞技術を用いたガンマグロブリン不応川崎病の病態解明2013

    • 著者名/発表者名
      池田和幸、天久朝廷、松井敏、八幡倫代、岡本亜希子、鈴木千夏、長船健二、濱岡建城
    • 学会等名
      第33回日本川崎病学会学術集会
    • 発表場所
      富山国際会議場
    • 年月日
      20130927-20130928
  • [学会発表] iPS細胞技術を用いたガンマグロブリン不応川崎病の病態解明2013

    • 著者名/発表者名
      池田和幸、天久朝廷、松井敏、八幡倫代、岡本亜希子、鈴木千夏、長船健二、濱岡建城
    • 学会等名
      第49回日本小児循環器学会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      20130711-20130713

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公開日: 2015-05-28  

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