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2014 年度 実施状況報告書

ゲノム情報および遺伝子発現に基づく小児Ph染色体陽性白血病の創薬標的候補探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 25461608
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

嶋田 博之  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80265868)

研究分担者 嶋 晴子  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80424167)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード慢性骨髄性白血 / フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 / IKZF1遺伝 / ゲノム解析 / エピゲノム解析 / トランスクリプトーム解析
研究実績の概要

本研究の目的は、小児Ph 染色体陽性白血病細胞の特性を多角的に明らかにし、創薬・診断・予後判定等の標的候補探索を行ない、その成果を小児Ph 染色体陽性白血病細胞の発症機構解明や新規診断・治療法開発に応用することである。
本年度は計画通り、JPLSGで実施中の臨床研究に登録した患者から小児Ph+ALLおよび小児CMLの試料の収集を行った。さらに、前年度ゲノム解析として明らかにした小児Ph+ALL40例に対するIKZF1欠失の解析の結果、すなわち、4年無イベント生存率(EFS)はIKZF1欠失なし群が89%であったのに対し、IKZF1欠失あり群は42%と有意(P=0.0345)に低く、多変量解析では、IKZF1欠失あり(相対リスク8.89)とプレドニゾロン反応性不良(相対リスク3.58)が独立した予後不良因子であったことを論文にまとめ、投稿準備中である。また、京都大学との共同研究で、小児Ph+ALL患者由来の白血病細胞をNOGマウスに移植して、マウス内で白血病を発症させ、Ph+ALL白血病細胞を増殖させることに成功した。チロシンキナーゼ阻害薬添加前後の白血病細胞内の分子のリン酸化の変化を、フローサイトメトリーにより観察することによって、これらのチロシンキナーゼ阻害薬の阻害活性を評価することが可能であった。今後、Ph+ALL白血病マウスにチロシンキナーゼ阻害薬を投与して、チロシンキナーゼ阻害薬の効果を評価するとともに、フローサイトメトリーによるin vitroの薬剤感受性の結果、臨床上のチロシンキナーゼ阻害薬の効果をそれぞれ比較して、チロシンキナーゼ阻害薬の効果を予測する系の確立をめざす。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

倫理面による実施計画書作成の遅れから、次世代シークエンスによるゲノム解析、エピゲノム解析、トランスクリプトーム解析が遅れている。

今後の研究の推進方策

本年度中に、既に保管されているJPLSG Ph+ALL04臨床試験に登録された小児Ph染色体陽性ALL細胞から抽出したゲノムDNAおよびRNAを用いて、マイクロアレイによるゲノムコピー数の解析および網羅的な遺伝子発現解析、および次世代シークエンサーによる付加的キメラ遺伝子の同定を行う。既に保管されているJPLSG CML08臨床研究に登録された小児CML細胞から抽出したゲノムDNAおよびRNAを用いて、同様の解析を行う。さらに、臨床データを比較することにより予後因子の検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A multicenter, prospective observational study for pediatric CML in CP (JPLSG CML-08):Preliminary analysis 20142014

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Shimada, Hidemitsu Kurosawa, Akihiro Watanabe, Masaki Ito, Chikako Tono, Haruko Shima, Yuki Yuza, Hideki Muramatsu, Noriko Hotta, Masahiko Okada, Akihiko Tanizawa
    • 学会等名
      日本小児血液・がん学会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2014-11-28 – 2014-11-30

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公開日: 2016-05-27  

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