本研究では年少(未就学)の小児睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者が痩せ体型となるメカニズムとして、年少児OSAS患者では体重増加や食欲に関連する成長因子や、アディポサイトカインの異常が関連しており、治療(扁桃摘出術)後に正常化するとの仮説を立て、検証を行った。 無呼吸低呼吸指数(AHI)≧5の睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者群とAHI<5の非OSAS患者群との間で成長因子である血清IGF-1値を、食欲や肥満に関与するホルモンとして血清レプチン、血漿レプチン値などを比較したが、両群間に有意差は認められなかった。またOSAS群では扁桃摘出術の6ヶ月以内に体重の急速なキャッチアップを認めたが、術前後で上記バイオマーカーに有意な変化は認められなかった。年少児OSAS患者が痩せ体型となるメカニズムとして食欲や代謝など内分泌学的な要因の関与は否定的であると考えられた。
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