川崎病は小児に見られる原因不明の血管炎である。これまでに自然免疫応答と補体活性化に働くことで知られるマンナン結合レクチン(MBL)とよばれる血漿蛋白質の遺伝的多型性との関連が指摘されている。本研究では川崎病マウスモデルを用いてその病態におけるMBLの役割を実験病理学的手法により調べた。同マウスにおいて、大動脈起始部および冠動脈にMBL-AおよびMBL-Cの沈着を認めた。これらの沈着部位に一致して補体成分C3/C3断片とIgMの沈着も認めた。加えてMBLは一部の組織蛋白質に結合してレクチン経路を活性化することも分かった。川崎病血管炎におけるMBLを介した補体レクチン経路の関与が示唆される。
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