| 研究課題/領域番号 |
25461632
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| 研究機関 | 東京女子医科大学 |
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研究代表者 |
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00241068)
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| 研究分担者 |
清水 一彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90385394)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 循環器発生 / Foxc2遺伝子 / 肺発生 / 心肺前駆細胞 / 鰓弓動脈 / 肺微小循環形成 |
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| 研究実績の概要 |
我々はFoxc2ノックアウトマウスにおける鰓弓動脈のリモデリングと肺の発生成熟過程を解析し、心大血管形態形成と肺の分化成熟との関連性についてFoxc2遺伝子がどのように関連しているか検討を行っている。平成25-26年度には免疫組織学的手法のみならず分子生物学的手技を用いて発生過程における大血管および肺の形態的特徴を重点的に解析した。平成27年度は鰓弓動脈リモデリング過程における血管の構築と鰓弓形態異常との関連、Foxc2 陽性心肺前駆細胞の分布部位の確認を目的に解析を行った。
鰓弓における血管のリモデリングについては、器官形成後期即ち胎齢11日以降において全胚を用いた免疫染色およびin situ hybridization等を試みているがデータが不安定のため、手技を改変検討する必要が生じた。より再現性のある結果を得るため、若干の遅延を生じている。肺組織に関しては、発生後期のFoxc2欠失胎仔において隔壁が厚く、肺上皮形成異常と肺胞形成遅延があるにもかかわらず、肺の細胞増殖にFoxc2欠失が影響しないという結果を得ている。一方､肺の特異的遺伝子についても発現の変化を認めないにもかかわらず、血液－空気関門形成に本遺伝子の欠失が影響していることを確認している。
最終的には大血管および肺を形成するprogenitor 細胞の移動様式を解析するfate mappingが不可欠と考えられるが、その前段階として心肺前駆細胞へのFoxc2欠失による影響の有無、二次心臓形成領域（Secondary Heart Field)のマーカー遺伝子（Nkx2.5等）との発現動態について、さらなる解析を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究申請時には不明であった哺乳類の心肺前駆細胞がその後報告され（Peng et al. 2013)、研究計画の優先順位を変更する必要性が生じた。さらに、心大血管奇形が二次心臓形成領域マーカーでもあるNkx2.5の陽性細胞におけるFoxc2欠失によって生じることが報告された(三浦ら、2015）ため、さらに追加実験を行う必要が生じた。我々はFoxc2遺伝子が鰓弓動脈リモデリングのみならず、肺の成熟にも関係するという視点に沿って解析を進めているが、現段階の免疫染色法や分子生物学的手法のみでは限界をきたしつつある。しかしながら、妊娠後期ミュータント胎仔における血管壁の構造など形態学的な構造の変異も明らかになりつつあるため、次段階の遺伝子改変マウスによる実験系の方向性を検討する上で現在の解析結果は必要不可欠である。このため、心肺前駆細胞との兼ね合いにおける、詳細で再現性のある解析結果を収集するため時間を要している。
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度につづき、心肺前駆細胞のマーカーとされる遺伝子を中心に、器官形成期Foxc2ミュータント胚仔鰓弓動脈のリモデリング過程における血管構築を免疫染色法・分子生物学的手法を用いて解析する。特に、二次心臓形成領域のマーカーであるNkx2.5およびIsl-1陽性細胞のリモデリング時期の分布域についても確認する。今までの実験推移より、Foxc2+細胞のlineage mappingの重要度がさらに増した。新しい遺伝子改変マウス（Foxc2-TmCreマウス）の作成を念頭に置き、Foxc2+心肺前駆細胞の存在部位および第4-6鰓弓動脈と肺原基への前駆細胞の分布について検討をさらに進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
肺発生過程における関連遺伝子のカスケードが未だ不明な点が多く、肺芽を用いたRT-PCRの実験系を回数こなす必要に迫られ、時間を要した。このため、前年で確認していなかった遺伝子マーカー（Isl-1やNkx2.5等）を用いた実験系が遅延した。この予算枠が次年度に持ち越すこととなった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
新しい遺伝子改変マウス（TmCre系)作成に向けて、二次心臓形成領域および心肺前駆細胞のFoxc2ミュータントマウス胚仔における分布様式の解析が、はっ低過程における特異的時期を考察する上で重要なポイントとなる。このため、胎仔での遺伝子マーカーとして定評のある抗体購入費、RNAプローブ作成にあてる。さらに、関連情報入手のため、循環器発生関連の研究会参加費用にあてる予定である。
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