研究課題/領域番号 |
25461642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高桑 徹也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40244933)
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研究分担者 |
山田 重人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80432384)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒト胚子 / MRI / 位相CT / 発生解剖 / 形態形成 / 先天異常 |
研究概要 |
ヒト器官形成期の正常および異常発生を解析し先天異常の原因を解明するために、京都大学が保持している器官形成期のヒト胚子由来の3次元データ(MRI,連続組織像、位相CTなど)を用いて胚子の外表、内部諸器官の形態観察を行い、胚子の主要器官発生の定量可視化、個体差の検討を行った。現在、胃の3次元的な形態形成、運動の解析(in press), 外耳の形成、咽頭胚の時期の腸管の形成と関連器官の発生、脳、腸ループ、脾臓、等主要器官について解析を進め、学会発表、論文作成を進めている。胃の実際の動きは立体空間的であり、教科書で説明されるような”下降”、”頭尾軸に対する回転”、”背腹軸に対する回転”と3つの動きとは異なることが判明した。本成果は高い評価を受け英文雑誌 Anatomical Recordに Video journalとして発表されることになっている。さらに、肝臓についてはMR顕微鏡に加え、位相CTという最先端の画像技術を取り入れ、わずか15mm程度の胚子個体の内部観察を詳細に行い、肝臓形成不全を持つ異常発生個体群を抽出し、より詳細な解析や疫学的検討を行った(論文投稿中)。本知見は、これまで不明であった自然流産の原因の一つとして注目されるであろう。現在進めている研究は、ヒト胚子発生の定量化と標準値の確立、異常個体の検出、病理学的、疫学的解析など、新たな視点からの知見を加え、先天異常の病因解明や、胎児医学や予防医学の発展に貢献すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年間で、胃、肝臓等の臓器について論文の発表、投稿準備ができた。また、咽頭胚、外耳、脳についても経過を定期的に学会発表で示せる状態にあり、これらは次年度中に論文としてまとめる予定である。研究する材料となる位相CTによる高解像度立体像を1年間でX体撮像し、一部は解析に用いることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究する材料となる位相CTによる高解像度立体像を撮像し、データベース化をし、詳細な解析に使用する。 全身の器官を対象に解析を進める。とくに、高解像度立体像取得に目処が立ってきたので、解像度が障壁になっていた視聴覚等の感覚器、中枢神経系に積極的に取り組んでいきたい。また、3次元プリンタを用いたデータ発表や教育、社会への還元の可能性も検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ計画通りに予算使用され256円の端数が生じた。 次年度に組み入れて有効利用したいと考える。
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