研究課題/領域番号 |
25461646
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
久保 裕之 香川大学, 医学部, 助教 (30564116)
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研究分担者 |
下野 隆一 香川大学, 医学部, 准教授 (60404521)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 低酸素虚血性脳症 / 新生仔豚 / 肝臓 / 脂肪滴 / 低体温治療 |
研究実績の概要 |
生後24時間以内の新生仔豚に低酸素負荷をかけ、低酸素性虚血性脳症のモデルとした。当初は、その際に起こる腸管の虚血性障害を観察する予定であったが、本実験の負荷レベルでは明らかな腸管ダメージは現れていなかった。しかし腸管だけでなくその他の臓器も同時に病理学的評価を行ったところ、肝臓に障害が出現したことが明らかになった(去年までの実績に報告)。
そこで低酸素性虚血性脳症発症時の新生仔豚の肝臓を対象として実験を継続した。コントロール群、低酸素負荷群、低体温治療併用群にわけ、検討を行った。 この3群の肝臓を病理学的・統計学的に評価を行ったところ、低酸素負荷をかけた新生仔豚では肝細胞内に微小な脂肪滴の蓄積が有意に多く認められた。また低体温治療を併用するとその蓄積された脂肪滴が有意に減少することが明らかとなった。この現象は、これまで報告がなく、新しい発見と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低酸素性虚血性脳症発症時には、脳障害だけでなく、同時に肝障害が起きていることが知られているが、血液データをもとにした報告であり、どういった変化が現れているのかを病理組織学的に評価した報告はない。 今回我々の実験は、低酸素性虚血性脳症発症時には、病理学組織学的にも肝臓に変化が起きていることを世界で初めて突き止めた。また世界で広く行われている脳保護のための全身低体温治療が、低酸素により障害を受けた肝臓に対しても保護効果があることが明らかとなった。これは新生児医療領域における新しい知見である。
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今後の研究の推進方策 |
本実験の結果は本年度の学会発表を予定しており(肝病態生理研究会、周産期新生児医学会)、同時に英語論文として執筆中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに実験が稼動していた他研究による検体(新生仔豚の臓器)を使用することで実験の効率化を図ることで、当初予定していた実験にかかわる費用(豚購入費、実験用具、人件費)を削減できた。
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次年度使用額の使用計画 |
実験による成果が得られたため、本結果を学会で発表予定であり、英語論文への英語校正や投稿を予定している。
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