新生児低酸素性虚血性脳症の動物モデルとして、新生仔豚を対象に負荷時の脳血液量を指標とした低酸素負荷を行い、低体温療法、ラジカルスカベンジャー(エダラボン)と低体温併用療法の効果、および水素ガス吸入療法の安全性の検討を行った。その結果、無治療の蘇生後24時間での脳血液量増加と低振幅脳波持続時間は正の相関を示したが、低体温療法では負の相関を示した。また低体温療法と併用療法は無治療と比較し、大脳皮質および白質障害は少なかったが、低体温療法のみと併用療法は中枢組織障害の差異は認めなかった。さらに水素ガス吸入は、体・脳循環、脳波及び血液ガスへの影響がなく、その使用上の安全性が確認された。
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