成熟児の出産では、新生児仮死などにより、しばしば低酸素性虚血性脳症(HIE)が生じ、様々な脳障害をきたす。早産児では、分娩時の低酸素性虚血は、脳室周囲の白質の変性、脱落を特徴とする脳室周囲白質軟化症(PVL)をきたす。未熟脳の脳血管系の脆弱性とグリア細胞の未熟性がその原因と考える一方、胎内環境の関わりが言われている。 本研究では、グリア細胞の分化の制御機構について研究を進めたが、先天性脂質代謝異常症の1つニーマンピック病C型の研究過程で、細胞内コレステロール輸送が、オリゴデンドロサイトの前駆細胞からの分化、ミエリン化を制御していることを明らかにした。
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