本研究では創傷部位で特にコンドロイチン硫酸鎖を有するバーシカンに焦点を当てた。その創傷治癒過程での空間的・時間的発現を免疫組織学的に解析したところ、その一過性(受傷後3-7日)の発現を見出した。さらにVer-Creマウスを作成しVer-Cre;ROSA26R マウスでトレース実験を行ったところ、バーシカン産生細胞は5日前後で最も多くなり、免疫染色の結果と一致を見せた。これらの事実から創傷治癒過程において一過性に出現するマトリックスは構成成分としての機能以外の役割を担っており、細胞遊走などとの関連の存在を示唆していると考えた。
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