研究課題/領域番号 |
25461680
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石井 文人 久留米大学, 医学部, 講師 (80330827)
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研究分担者 |
橋本 隆 久留米大学, 皮膚細胞生物学研究所, 教授 (20129597)
濱田 尚宏 久留米大学, 医学部, 講師 (40320204) [辞退]
大山 文悟 久留米大学, 医学部, 講師 (90461441)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 皮膚診断学 / 皮膚免疫学 / 自己免疫性水疱症 / 水疱性類天疱瘡 |
研究実績の概要 |
水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid 以下BP)は、高齢者に好発する最も頻度の高い自己免疫性水疱症であり、この代表的自己免疫性水疱症であるBPにおいて、BP180のNC16a部位に対する抗体の病原性の研究は進んでいるが、もうひとつの標的抗原であるBP230蛋白に対する抗体の病原性は不明である。BP230抗原の検出において、BP230に対する自己抗体にBP病変発症における病原性を研究し、その意義を検討した。前年までにBP230リコンビナント蛋白質の免疫ブロット法では、 BP230を検出する血清に含まれる自己抗体がC端側の領域に高率に反応する傾向を示した。 さらに抗BP180抗体の有無による検討を行った。BP230 陰性でBP180 のみ陽性のBP血清では、BP230-N, M, Cのいずれのブロットでもほとんど反応はみられなかったが、BP230 (+)単独、または両方BP180 (+) /BP230 (+)のBP群では、N, M, Cのいずれもリコンビナントの蛋白のバンド発現がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水疱性類天疱瘡におけるBP230抗体に関する研究において、新知見が得られ、疾患に関する研究の発展のみならず、診断/治療に大きく貢献できることが期待できた。これまでのところ、交付申請書のタイムテーブルにほぼ沿う形で進行している。
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今後の研究の推進方策 |
多くの症例に対する抗原抗体解析の継続とともに、各種検査法における有用性を慎重に検討を行う。また抗原抗体解析の結果を総合的に患者背景および臨床学的特徴の検討を行い研究を推進していく予定である。 臨床解析の結果を総合し、BPでの発症メカニズムの理解を深め、新たな治療へのアプローチに寄与することを目的とする。 また、水疱性類天疱瘡は高齢者に発症要因、エビデンス・研究はいまだ皆無であり、この点において各種抗原(主にBP180抗原、BP230抗原)に対する自己抗体と患者背景のデータを元に後ろ向きコーホートスタディーを行い、統計学的検討により高齢者発症の要因を解析する。本邦におけるBP患者と合併症の特徴が把握できるとともに、統計的に自己抗原との関連を示す。後ろ向きコーホート研究を行い合併症の統計学的解析を行う。収集された データを統計学的に解析、評価を行う。得られた結果と患者背景および臨床学的特徴の検討を行い、統計学的に解析、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は一般実験試薬、一般実験器具、実験動物等諸費用に当初の予算額を満たす使用額がなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
一般実験試薬、一般実験器具、各種抗体、各種酵素、タンパク質精製試薬・装置、細胞培養液、牛血清アルブミン等に費用がかかる。研究経費のすべては研究に要する実験試薬・実験器具、そのほかの消耗品が占める。研究の速やかな遂行を図るため必要最低限の設備備品の購入を予定している。 平成27年度では、一般実験試薬(各種抗体,核酸,酵素,培地等)に350千円、一般実験器具(ガラス,プラスチック器具類)に300千円、実験動物に200千円を予定している。
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