研究課題/領域番号 |
25461686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松下 貴史 金沢大学, 大学病院, 講師 (60432126)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 強皮症 / サイトカイン / 制御性B細胞 |
研究概要 |
強皮症のモデルマウスであるSclerodermatous GVHDマウスは、マイナー組織適合抗原が不一致であるB10.D2(H-2d)マウスの骨髄と脾臓細胞を、放射線照射されたBALB/C(H-2d)マウスに移植することによって誘導した。CD19欠損マウスは遺伝的にIL-10産生regulatory B細胞を欠損しているため、regulatory B細胞の解析に有用である。CD19欠損B10.D2マウス(ドナーマウス)およびCD19欠損BALB/Cマウス(レシピエントマウス)を用いてregulatory B細胞の役割を解析した。CD19欠損B10.D2マウスの骨髄および脾臓を、放射線照射されたBALB/Cマウスに移入(ドナーがregulatory B細胞を欠損)したところ、コントロール群に較べより重症のSclerodermatous GVHDを発症した。一方、B10.D2マウスの骨髄および脾臓を、放射線照射されたCD19欠損BALB/Cマウスに移入(レシピエントがregulatory B細胞を欠損)したが、コントロール群と較べ有意差がなかった。さらに、コントロール群とCD19欠損ドナー群のSclerodermatous GVHDの背部皮膚での線維化を病理組織学的に比較検討したところ、CD19欠損ドナー群でより重症の皮膚硬化を認めた。また、線維化の部位の細胞浸潤を検討したところ、コントロール群に比べCD19欠損ドナー群ではIL-13(線維化を促進するサイトカイン)産生T細胞の増加が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、Sclerodermatous GVHD におけるregulatory B細胞の抑制機序の解明のため、regulatory B細胞をT細胞、マクロファージ、線維芽細胞などと共培養し解析する予定であったが、マウスの繁殖が当初の予定通り進まなかったため実験計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、マウスの繁殖は順調に進んでおり次年度は計画通り進められる。次年度は、Sclerodermatous GVHD におけるregulatory B細胞の抑制機序の解明のため、regulatory B細胞をT細胞、マクロファージ、線維芽細胞などと共培養し解析し、さらに Sclerodermatous GVHD に対するregulatory B細胞による治療効果の解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はマウスの繁殖が予定通り進まなかったため実験計画に遅れが生じ使用額が予定以下となった。予定していた支出のうち、マウス維持費、フローサイトメトリー抗体などが支出されなかった。 現在、マウスの繁殖は予定通り進んでおり次年度に実験を多く行うため、次年度研究費とあわせてフローサイトメトリー抗体、Real-timePCR試薬の購入やマウス維持費に使用する予定である。
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