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2013 年度 実施状況報告書

薬剤を用いた薬疹モデルマウス樹立の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25461691
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

小豆澤 宏明  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10379240)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード薬疹 / T細胞 / ペプチド / インターフェロン
研究概要

薬疹は薬剤がHLA分子に結合することで、そこに結合する自己ペプチドが入れかわることで、免疫を惹起する偽性の自己免疫反応と考えられる。この研究はK5-mOVA X OT-Iダブルトランスジェニックマウスという、自己反応性T細胞を持つにもかかわらず、自己免疫疾患を発症しない動物において、改変ペプチドと薬剤の組み合わせで自己免疫反応を惹起することで、薬疹の動物モデルを樹立する研究である。マウスに薬剤を投与して自己免疫がおきるかを検討するには多数の実験動物が必要となるため、まずin vitroで薬剤をスクリーニングして、in vivoでの誘導に用いる計画である。平成25年度は改変ペプチドと薬剤の組み合わせのスクリーニングを行う。OT-I マウスの脾細胞に、OVA由来のMHC class Iリガンド段階希釈して添加し、インターフェロンγ産生細胞の割合をプロットしする実験系は確立でき、SIINFEKLペプチドを添加した場合、90%の細胞が産生するとても効率のよい実験系であることがわかった。また改変ペプチドとSIINFEKLとの差がもっとも大きくなる添加濃度もわかり、いくつか使用するペプチドを限定することにした。さらにこの実験系にヒトで薬疹を起こすことが知られる薬剤を添加して培養することで、数十種類の薬剤のスクリーニングを行っている。現在までのところ、T細胞の活性化に影響する薬剤はまだ見いだせていないが、多数の薬剤の候補があるため順次添加予定である。K5-mOVA X OT-Iダブルトランスジェニックマウスを交配により作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スクリーニング予定の薬剤は多数あるため、標的の薬剤を見いだすのに時間を要しているが、実験系そのものは、予定通り確立できている。

今後の研究の推進方策

薬剤のスクリーニングをすすめていくと同時に、組み合わせるペプチドについてもより効率のよい候補の選択を工夫していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

合成ペプチドを用いた解析を開始する前に、インターフェロン産生細胞を検出する実験系の確立に時間を要したため、マウスの購入維持や合成ペプチドの作製に関する費用の総量が当初予定より少なくなった。
合成ペプチドを用いた解析は開始しているため、本年度に使用予定であったマウスの購入維持や合成ペプチドの作製の支出を一部次年度に持ち越したが、順次すすめていくため、本年度予定していた支出とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 重症薬疹の診断と治療】 薬疹におけるリンパ球刺激試験でとらえる薬剤特異的T細胞2013

    • 著者名/発表者名
      小豆澤 宏明
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 59巻4号 ページ: 438-444

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【薬疹を診る-注意点とその対応】最近の薬疹 注意すべき薬剤とその臨床症状2013

    • 著者名/発表者名
      小豆澤 宏明
    • 雑誌名

      日本医師会雑誌

      巻: 142巻3号 ページ: 503-507

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Barrier abnormality due to ceramide deficiency leads to psoriasiform inflammation in a mouse model.2013

    • 著者名/発表者名
      Nakajima K, Terao M, Takaishi M, Kataoka S, Goto-Inoue N, Setou M, Horie K, Sakamoto F, Ito M, Azukizawa H, Kitaba S, Murota H, Itami S, Katayama I, Takeda J, Sano S.
    • 雑誌名

      J Invest Dermatol.

      巻: 133(11) ページ: 2555-65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development and clinical study of a self-dissolving microneedle patch for transcutaneous immunization device.2013

    • 著者名/発表者名
      Hirobe S, Azukizawa H, Matsuo K, Zhai Y, Quan YS, Kamiyama F, Suzuki H, Katayama I, Okada N, Nakagawa S.
    • 雑誌名

      Pharm Res.

      巻: 30(10) ページ: 2664-74

    • 査読あり
  • [学会発表] Lymphocyte transformation test demonstrated by flow cytometry.2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Azukizawa
    • 学会等名
      The 8th International Congress of Cutaneous Adverse Reactions.
    • 発表場所
      Chang Gung University, Taiwan
    • 年月日
      20131116-20131117
    • 招待講演
  • [学会発表] A case of TEN induced by aspirine2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Azukizawa
    • 学会等名
      World SCAR joint meeting
    • 発表場所
      Keelung, Taiwan
    • 年月日
      20131115-20131115
  • [学会発表] 抗TNF-α阻害薬投与後に発症した、thymoma non-associated multiorgan autoimmunityの一例2013

    • 著者名/発表者名
      井上 知子, 花房 崇明, 小豆澤 宏明, 横見 明典, 片山 一朗
    • 学会等名
      第112回日本皮膚科学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130614-20130616

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公開日: 2015-05-28  

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