研究概要 |
表皮細胞由来の腫瘍性病変である日光角化症(AK)、Bowen病(BD)、有棘細胞癌(SCC)の生検・手術標本のパラフィン切片を用いて、セネッセンス状態で発現するmacroH2A1の発現を免疫組織学的検索にて検討した。免疫反応性は陽性細胞の占める比率にて、5%未満を陰性、5~24%を弱陽性、25~49%を中等度陽性、50%以上を強陽性とした。AK、BD、SCCでのmacroH2A1の発現はそれぞれ10例中、(1, 1, 3 ,5)、(7, 2, 1, 0)、(4, 2, 0, 4)だった。AK vs SCCでは、AKの発現が強い傾向がみられたが、統計学的には有意な差はみられなかった。一方、AK vs BDでは統計学的には有意な差をもってAKの発現が強く、AKとBDは表皮細胞由来の同じ表皮内癌でありながら、発生機構が異なることが示唆された。
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