研究課題/領域番号 |
25461696
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
久保 宜明 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10260069)
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研究分担者 |
石上 剛史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40464359) [辞退]
松立 吉弘 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80622729)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 表皮細胞 / 日光角化症 / Bowen病 / 有棘細胞癌 / セネッセンス / DNA損傷 |
研究実績の概要 |
表皮細胞の腫瘍化には一般の癌と同様に多段階発癌機構が関与していると考えられるが、表皮細胞由来の腫瘍性病変には多様な病態が存在し一連の流れでは説明できない。表皮細胞由来の表皮内腫瘍性病変である日光角化症(AK)とBowen病(BD)、浸潤癌である有棘細胞癌(SCC)の病態を生検・手術標本のパラフィン切片を用いて免疫組織学的に検討した。免疫反応性は陽性細胞の占める比率にて、5%未満を陰性、5~24%を弱陽性、25~49%を中等度陽性、50%以上を強陽性とした。セネッセンス状態で発現すると考えられるmacroH2A1、macroH2A2、53BP1の発現を検討したところ、AKはBDやSCCと比較して発現が強く、セネッセンス状態であることが考えられ、AKからSCCへの進展に脱セネッセンスが関与している可能性が示唆された。また、BDはセネッセンス状態ではなく、AKとは一連の流れではない可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
発色方法を以前から当教室で行っていた通常のABC法から蛍光を用いる方法に変更したために、信頼できるデータを得るのに時間がかかっている。また異なる蛍光を用いた2重染色もテクニックを要し、まだ十分な2重の蛍光発色が得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
53BP1とmacroH2Aの2重染色をさらに行い、DNA損傷とセネッセンスとの関連の有無を確認する。免疫FISHでテロメアの状態を染色し、53BP1との2重染色でtelomere dysfunction-induced DNA damage foci (TIF)の有無を検討するとともに、senescence-associated secretory phenotype(SASP)に関与するIL-6などのサイトカインの発現を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表を行う予定だったが、研究がやや遅れ学会発表を行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の試薬などの物品費の一部に使用する。
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