研究課題/領域番号 |
25461698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
高石 樹朗 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (10303223)
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研究分担者 |
寺石 美香 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (40437736)
中島 英貴 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70314995)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (80273621)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がん制御 / 間葉-上皮移行 |
研究概要 |
ヒト有棘細胞がん由来の細胞株4種類に再ブログラム因子を導入した結果、これらのいずれも親株と比してより強く上皮性性質を獲得していた。それは形態的な変化に加えて分化マーカーの発現変化、細胞運動能の低下、細胞間基質分解能の減少、ヌードマウスXenograft modelでの造腫瘍能の減弱化等が確認された。 これら4種類の有棘細胞がんの親株と再ブログラム因子を導入した細胞株を用いて、マイクロアレイによる遺伝子発現のプロファイリングを実施した。再ブログラム因子を導入した細胞で共通して変化した遺伝子を抽出した結果、発現が増加した遺伝子または減少した遺伝子はそれぞれ83と69であった。このうちそれぞれにLincRNAを11と6を含む。この結果には上皮あるいは間葉細胞を特徴付けるマーカー分子があまり含まれなかったことは興味深い。 これまで再ブログラム因子として5遺伝子を導入したが、この種類を減らしてMET誘導が可能であるのか検討した。4因子あるいは3因子でもMETを誘導し得たが、5因子より誘導能が低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度の研究結果はほぼ達成できたが、一部で詳細な検討が不十分であった。
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今後の研究の推進方策 |
25年度の結果として新規のMET誘導遺伝子として複数の候補が得られたが、文献検索によりその数を絞り込み、10程度の候補にする。一過性発現系および安定発現系のベクターシステムに候補遺伝子を導入して、あるいは候補遺伝子に対するshRNA発現ベクターシステムを作製してMET誘導可能であるのか形態学的に評価された後に各種の分化マーカー遺伝子の発現や運動能・浸潤能低下等についても検討する。MET誘導は複数分子の相加・相乗作用によることも考えられるので複数遺伝子の制御が必要な可能性がある。この場合、可能な限り単純な遺伝子発現制御に収束することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度では、マウスの管理、病理組織標本作製やreal-time PCRに用いたプラスチック器具や各種試薬などの物品費が主体となったため、使用経費が抑えられたことが理由として挙げられる。 引き続きマウスの管理や測定等における物品費にあてる他、各種の分化マーカー遺伝子の発現や運動能・浸潤能低下等について検討を行うための試薬の購入に多くの経費が必要となる。また、得られた成果の発表や情報収集のため学会に参加する旅費に使用予定である。
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