研究課題
悪性黒色腫(メラノーマ)は最も悪性度の高い皮膚癌である。進行すると有効な治療法はなく、致死的である。近年、悪性黒色腫の罹患率の増加と、皮下・内臓脂肪組織の増加を基盤とする肥満との関連が疫学的に示唆されているが、脂肪組織が悪性黒色腫にどのような影響を与えているか、その詳細は不明である。一般に、悪性黒色腫は皮膚表皮内で発生し、真皮→皮下組織へと浸潤した後、全身諸臓器へと転移する。それ故に、脂肪組織が悪性黒色腫細胞の生存、増殖、遊走、浸潤、転移に活発に影響していると予想される。しかし、皮下および内臓脂肪細胞が悪性黒色腫に与える直接的な影響を解析した研究は国内外になく、その詳細は明らかとなっていない。本年度は我々が開発した、新規3次元培養法を用いて脂肪組織が悪性黒色腫に与える影響を、初代培養脂肪組織および悪性黒色腫細胞株を用いて、MAPK系およびPI3L-AKT系を中心に解析した。また、脂肪組織存在下でMEK阻害薬を投与し、悪性黒色腫細胞の生存、増殖、遊走、浸潤に及ぼす影響を解析した。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
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