研究課題
皮膚からのアレルゲンへの感作は、アトピー性皮膚炎(AD)のみならず、喘息などの他のアレルギー疾患の成立(アレルギーマーチ)にも重要である。ダニや花粉はプロテアーゼを産生・含有し、獲得免疫を介さずに種々の細胞を刺激・活性化するが、皮膚感作におけるその役割は不明である。本研究では、プロテアーゼアレルゲンを用いたマウス皮膚感作モデルを構築し、初期の自然型応答および続いて誘導される獲得免疫依存的応答を解析し、皮膚感作におけるアレルゲンのプロテアーゼ活性の役割を明らかにする。昨年度の研究実績概要ではプロテアーゼの単純塗布によるバリア破壊誘導及び感作モデル構築と、プロテアーゼ依存的な抗体産生誘導について記載した。本年度の成果は下記の通り(投稿準備中)。(1)プロテアーゼアレルゲンによる皮膚感作モデルの構築と解析:後天的バリア破壊操作を組み合わせた新たなモデルを構築し、検討を行った。(2)皮膚炎症の解析:プロテアーゼ経皮感作がIgE/IgG産生だけでなく皮膚炎症を誘導することを明らかにした。(3)メカニズム解析:遺伝子改変マウスを利用した解析を行い、経気道感作とは異なる機序であることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
新規構築したモデルも利用して知見が得られており、概ね計画通り進展している。
いくつかの修飾モデルについて試行し、それぞれで遺伝子改変マウスを利用した解析を行っている。激しい症状を伴うモデルの構築は試行錯誤中であるが困難が予想される。一方で、これまで構築したモデルを用いて当初予期しなかった知見も得られており、それらも合わせて研究成果を最大化するよう努力したい。
前年度繰り越し分を含め、大半を当該年度に使用した。
剰余額は少額のため、次年度分計画に大きな影響成しに繰り越し使用する予定。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 5件)
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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