円形脱毛症(AA)160症例につき、健常者500名を対象として、マイクロサテライトマーカーとSNPを用いてタイピングを行い、HLA領域、特にHLA-Cの近傍に円形脱毛症の疾患感受性遺伝子領域(3.9メガベース域、OR: 3.75)を同定した。更に詳細なタイピングを行い、28以上のハプロタイプを同部位で同定し、その一つに疾患感受性遺伝子が乗っていること(リスクハプロタイプ)を突き止めた。その後次世代シークエンスにより、5つのリスクハプロタイプと7つのノンリスクハプロタイプを解析し、有る遺伝子のnon-synonimous single nucleotide variant (ns-SNV)が1つのみ、5つのリスクハプロタイプにおいて共通してみられた。従って、このns-SNVがAAの疾患感受性遺伝子変異ということが遺伝統計学的に証明された。 次に本遺伝子の全身ならびに毛包特異的ノックアウトを作成したが、今までの所、特異的表現型は見られていない。 そこでゲノム編集法を用いてこのns-SNVをマウスに導入したところ、1つのストレインにおいて、AA様の表現型が見られたので、現在このマウスの解析を行っている。
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